エルダー2020年9月号
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2テレワークの始め方社会保険労務士法人NSRテレワーク推進室CWO社会保険労務士 武田かおり少子高齢化が進むなか、労働者不足や年金制度への不安解消のため、高齢者の就労が期待されています。また、高齢者自身も「人生100年時代」といわれる現代社会のなかで、やりがいを持って生きていくため、生涯働き続けたいと願う人が増えています。しかし、体力的な不安や配偶者などの介護問題を抱えることも多いことから、通勤時間や移動時間による時間と疲労を削減し、時間の有効活用ができる「テレワーク」が非常に有効だと考えられています。テレワークは、「情報通信技術(ICT)を活用した、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義されおり、就業形態としては雇用型テレワークと自営型テレワークに分類されます。雇用契約により労働者として働く雇用型テレワークにおいては、働く場所によって、在宅勤務、モバイル勤務、サテライトオフィス勤務に分類されています。2020(令和2)年4月7日に発令されたコロナ禍における緊急事態宣言においては、日本全国に外出自粛が呼びかけられ、各企業においては在宅勤務の推進が強化されました。人材紹介を提供する株式会社シニアジョブ(東京都新宿区)が2020年3月27日~4月5日に行った調査※1によると、同社が紹介・派遣しているシニア人材が勤務する企業で、「在宅勤務・テレワークの実施」をコロナ対策に取り入れている企業は、10・7%と1割程度という結果でした。これは調査対象の回答企業の業界が、自動車整備や医療・介護、保育、建設・不動産など、テレワークがむずかしいと考えられている業界が多いこともあるようですが、特段高齢者に向けた対策としてはテレワークを行っていない企業がまだまだ多い状況がうかがえます。都港区)が2020年5月7日~15日に行った調査※2では、製造業の4社に1社は工場までテレワークを実施していたと答えており、その対象者の一例として、感染によるリスクの高い「妊婦や高齢の嘱託社員」があげられています。では、緊急事態宣言の発令下において、全国でワークを経験したとされています。しかし、予期せぬ事態での緊急避難的なテレワークであったため、通常勤務と比較すると効率性や生産性に関しては47・7%の人が減少したと答えてい一方、ウイングアーク1st株式会社(東京内閣府が5月25日~6月5日に行った調査※3高齢者とテレワーク特集高齢社員のワーク・ライフ・バランスエルダー15※1  株式会社シニアジョブ「シニア人材を雇用する企業に対する新型コロナウイルス感染防止対策の状況調査」 https://corp.senior-job.co.jp/news/2020/04/07/100000※2  ウイングアーク1st株式会社「新型コロナウイルス対策としてのテレワークの実態調査」https://www.wingarc.com/public/202005/news1270.html※3  内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における 生活意識・行動の変化に関する調査」https://www5.cao.go.jp/keizai2/manzoku/pdf/shiryo2.pdf34・6%、東京23区では55・5%もの人がテレ50歳以上のシニア人材に特化した人材派遣と解  説

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