エルダー2020年9月号
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だし、従業員数については、年金制度改正法※により2022年10月に101人以上、さらに2024年10月には51人以上の企業にまで拡大されることが決定しました。【時短勤務者または短日勤務者の雇用保険の適用要件】時短勤務者、短日勤務者でも、次の二つの適用基準のいずれにも該当する場合は、変わらず雇用保険被保険者の適用となります。①1週間の所定労働時間が20時間以上であること、②31日以上引き続き雇用されることが見込まれること。病気や介護などの理由でフルタイム勤務から時短勤務への変更を希望する正社員がいます。労働条件を時短勤務に変更すると同時に、いま支給をしている各種手当を減額することは可能ですか。時短勤務者は、パートタイム労働法の対象となります。時短勤務者は「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」と定義されています。これは、雇用形態における名称にかかわるものではありません。例えば、「嘱託社員」、「パートタイマー」、「アルバイト」など、呼び方は異なっても、条件にあてはまる労働者であれば、同法の対象となります。2020年4月1日(中小企業は2021年4月1日)から施行された、パートタイム労働法の第8条では、次のような内容が明示されています。「事業主が、雇用するパートタイム労働者の待遇と通常の労働者の待遇を相違させる場合は、その待遇の相違は、職務の内容、職務の内容・配置の変更の範囲(人材活用の仕組みや運用など)、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない」の待遇(各種手当)ごとに、当該待遇の性質および目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべき」、と読み取れます。の内容、職務の内容・配置の変更の範囲(人材活用の仕組みや運用など)が通常の労働者と同一のパートタイム労働者については、パートタイム労働者であることを理由として、その待遇について、差別的取扱いをしてはならない」と明示しています。時短勤務者であることを理由に、すべての待遇について、差別的に取り扱うことを禁止することが明確化されています。第8条、第9条をふまえれば、時短勤務者の各種手当は、容易に減額はできません。端的にいえば、時短勤務者であっても「個々さらに、同法第9条では、「事業主は、職務具体的には、次の二つの要件を満たす場合、このようにパートタイム・有期雇用労働法の雇用形態を時短勤務に変更したという理由だけでは、各種手当を減額することはできません。これはパートタイム・有期雇用労働法(以下、「パートタイム労働法」)に抵触するか否か、労使で協議を重ねる必要があります。加えて「同一労働同一賃金ガイドライン(指針)」にしたがって、手当ごとに不合理か否かを判断することが不可欠です。Q2①職務の内容が同じ②職務の内容・配置の変更の範囲(人材活用の仕組みや運用など)が同じ時短勤務者が対象となる労働法令とはなぜ、時短勤務者の各種手当は、容易に減額できないのか時短勤務者の各種手当は、減額できるか20※ 「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」(2020年5月成立)A

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