エルダー2020年9月号
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幹部は内部登用か外部登用か、能力開発は会社主体か個人主体かなどにおいて、全員長期雇用、内部登用、会社主体が強くなっている。一方、採用は新卒重視か中途重視かでは、300人以上の大企業では新卒重視、30~299人の中小企業では中途重視の志向性がみられる。なお、昇進については抜擢重視、教育投資については短期回収の考えの方が強くなっている。従業員の活用やキャリア形成にあたって、重視している事項を調べてみると、働きやすい職場の実現(70・3%ポイント)でポイントが高く、自主的なキャリア形成支援(29・2%ポイント)、生涯を通じた職業能力開発(27・7%ポイント)などが、それに次いでいる。一方、300人以上の大企業についてみると、労働組合等とのコミュニケーション(38・2%ポイント)のポイントが高い。企業に対し、自社の正社員で意欲を持って働いているようにみえる割合をたずねてみると、男性正社員でも女性正社員でも、年齢が上がるにつれ低下する傾向があ重視する事項として当てはまる重視する事項として当てはまらない学び直しへの支援社会貢献活動の経験非正社員の戦力化労働組合等とのコミュニケーション高齢者の能力発揮生涯を通じた職業能力開発自主的なキャリア形成支援働きやすい職場の実現⑵ 従業員の活用やキャリア形成で重視する事項(図表4)⑶ 正社員の意欲・能力・キャリア 00形成の現状と課題(図表5)図表4 従業員の活用やキャリア形成にあたって企業が重視する事項図表5 正社員の意欲・能力・キャリア形成の現状70.327.729.228.833.826.836.969.379.6十分能力発揮できている人の割合18.818.319.116.216.238.212.8-0.90.4-11.7-0.6-15.8-22.4-10.7-16.5積極的にキャリア形成に取り組んでいる人の割合意欲をもって働いている人の割合20歳台30歳台40歳台50歳台60歳台30〜299人規模300人以上規模規模計-70.8-70.8-70.6兼業・副業の経験5410080604020▲20▲40▲60▲80注1 企業に対する調査で、調査で示された事項を重視する考えに、当てはまる、やや当てはまる、あまり当てはまらない、当てはまらない、をたずねている。前2者を当てはまる、後2者を当てはまらないとして、それぞれの構成比の差(当てはまる(%)-当てはまらない(%))をD.I.として示した。 2 表章事項は簡略化しており、調査では、働き方改革などによる働きやすい職場の実現を重視している/従業員の自主的なキャリア形成への支援を重視している/従業員の生涯を通じた職業能力開発を重視している/高齢者の能力発揮を重視している/従業員組織(組合・社員会など)とのコミュニケーションを重視している/正社員以外の従業員の戦力化を重視している/ボランティアや社会貢献活動は従業員のパフォーマンスやキャリア形成にプラスの効果がある/従業員の学び直しへの支援を重視している/兼業・副業は従業員のパフォーマンスやキャリア形成にプラスの効果がある、とされている。(%)807060504020歳台30歳台40歳台50歳台60歳台注1 企業に対する調査で、企業からみて「いきいきと意欲をもって仕事に取り組んでいるように見える正社員の割合」「自身の能力を十分に発揮して仕事に取り組んでいる正社員の割合」「自身の能力向上やキャリア形成に積極的に取り組んでいる正社員の割合」をたずねた。数値の試算にあたっては、8割以上の回答を90%、5~7割を60%、3~4割を35%、2割以下を10%とみなして計算した。 2 60歳台の値は65歳以上を除いている。D.I.(当てはまる(%)−当てはまらない(%))女性管理職女性正社員(非管理職)男性管理職男性正社員(非管理職)20歳台30歳台40歳台50歳台60歳台

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