エルダー2020年9月号
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る。特に、男性正社員では、40歳台以降、急速に低下している。一方、管理職に昇進した場合についてみると、30歳台や40歳台で意欲を持って働く人の割合が高まり、となっている。また、40歳台以降は、男性管理職に比べ女性管理職の方が、意欲を持って働く人の割合が高くなっている。次に、十分能力発揮できているようにみえる割合をみると、男性でも女性でも管理職に昇進した場合は40歳台まで割合が高まっている。また、40歳台以降は男性管理職に比べ女性管理職の方が割合は高くなっている。一方、非管理職層の男性正社員については、40歳台以降、能力を発揮できている人の割合が低下しており、その低下テンポは女性正社員より大きい。なお、能力が発揮できている人の割合は、総じて意欲を持って働いている人の割合より高い。最後に積極的にキャリア形成に取り組んでいるようにみえる割合をみると、男性では30歳台にピークがあり、その後、年齢とともに低下している。女性管理職では40歳台にピークがあり、その後の水準も相対的に高い。これらより、昇進しなかった男性正社員の意欲、能力、キャリア形成などについて、特に40歳台以降層で課題があることが指摘できる。(一部省略)3. キャリア形成のための諸制度とその動向(一部省略)制度が導入されている企業において、若年層(39歳まで)、中壮年層(40~59歳)、高年齢層(60歳以上)の年齢階層別に制度としての効果を試算してみると、総じて、どの制度も若年層ほど効果が現れているようにみえる。また、若年層では特に、メンター制度の導入効果が高い。一方、高年齢層は総じて制度導入の効果は小さいが、調査した制度の中では、社会貢献参加の効果が相対的に大きくなっている。(以下省略)キャリアカウンセリング社内公募制度社会貢献参加兼業・副業復職支援メンター制度キャリア面談キャリア研修目標管理制度自己申告制度自己啓発支援⑷ キャリア形成のための人事制度の効果(図表6)エルダー図表6 キャリア形成のための人事制度とその効果0.90.60.10.90.90.80.60.60.50.20.20.01.00.80.60.60.50.50.20.20.10.50.50.50.30.30.10.10.00.039歳まで40〜59歳60歳以上0.30.2-0.155(ポイント)1.11.00.90.80.70.60.50.40.30.20.10.0-0.1注1 企業に対する調査で、制度の効果は大変効果があるに2ポイント、やや効果があるに1ポイント、あまり効果がないに▲1ポイント、ほとんど効果がないに▲2ポイントを与え加重平均値をとった。 2 調査対象としたキャリア形成のための人事制度は11で表章は簡略化しており、調査では、自己啓発支援(資格取得やリカレント教育)への補助・勤務時間面での配慮/自己申告制度(従業員の今後の仕事・キャリアへの意向を把握する制度)/目標管理制度(従業員が自律的に設定した目標に基づく評価制度)/Off-JTで行うキャリア研修(従業員のキャリア形成を支援する制度で外注・委託も含む)/人事部門担当者によるキャリアに関する従業員との個別面談/メンター制度(キャリア形成に関し先輩社員が相談役となって後輩社員を支援する制度)/一旦離職した従業員の復職支援・制度/兼業・副業の容認/従業員のボランティア・社会貢献活動への参加の推進/社内公募制度・社内FA(フリーエージェント)制度/キャリアコンサルタントの資格を持つ者によるカウンセリング、とされている。40歳台以降の低下も緩やかなもの

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