エルダー2020年10月号
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企業プロフィール2020.108高年齢者雇用開発コンテスト 令和2年度本事例のポイントⅠ株式会社大津屋の歴史は古く、1573(天てん正しょう元)年に創業した酒造業が前身にあたる。1963(昭和38)年に株式会社大津屋を設立、酒造業を営んでいたが、1981年8月に「コンビニエンスストア」を開店した。その後、県外大手資本のコンビニエンスストアの進出に対抗し、地元の食材を活用して昔懐かしい味を再現する「店内調理」などで他店との差別化を図りながら、業容を拡大してきた。人材を企業の「宝」として位置づけ、高齢者の特性を最大限に活かせる職場づくりに取り組んでいる。 《POINT》(1)コンビニエンスストア事業の展開を契機に、店舗運営の省力化・標準化および人事管理制度の拡充に取り組み、安心して働ける職場環境の整備を長年にわたり推進してきた。(2)2019(令和元)年6月に70歳定年制を導入、従来は運用で行っていた継続雇用制度についても73歳までの雇用を明文化した。(3)パソコンやPOSシステム※1を他社に先駆けて導入、作業の標準化と効率化を図ってきた。最近では自動釣銭機、AIを活用した総菜自動会計システムを導入し、レジ作業の精神的負担を軽減している。(4)高齢社員が積極的に新商品開発に参画することで、モチベーション向上につながっている。企業の沿革・事業内容Ⅱ同社は1963年の設立以来、酒造業を営ん株式会社 大津屋(福井県福井市)食文化の伝承による地域貢献を目ざし年齢にかかわりなく活躍できる職場を創出厚生労働大臣表彰最優秀賞株式会社 大津屋(福井県福井市)◎創業 1963(昭和38)年◎業種 コンビニエンスストア◎社員数 300人 60歳以上 71人( 内  訳 ) 60~64歳 27人 (9.0%) 65~69歳 25人 (8.3%) 70歳以上 19人 (6.3%)◎定年・継続雇用制度定年は70歳で、就業規則により73歳まで継続雇用。その後、運用により上限なし。現在の最高年齢者は76歳※1 POSシステム…… 「Point of Sale(販売時点情報管理)」を用いたシステムのこと。商品を販売・支払いする際に、バーコードから読みとったその商品の情報(商品名、販売時間など)を記録し、売上げや在庫を管理するためのシステム

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