エルダー2020年10月号
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特集令和2年度 高年齢者雇用開発コンテストⅠエルダー19◦照明のLED化、段差の解消など毎年一定額の予算を確保して、院内の照明をLEDに切り替えている。また、院内の段差の解消にも取り組み、安全性の向上を目ざしている。利用者の安全はもちろん、職員の労働環境の向上にも効果があり、高齢職員が働きやすい職場づくりが進められている。◦メンタルヘルス対策職員の心身の健康が質の高い医療サービスの提供につながると考え、定期健康診断のほか、ストレスチェックの実施など心身両面の健康維持に注力している。高齢職員の健康については特に配慮し、朝礼や申し送りのときにリーダーが健康状態の確認を行い、高齢職員が自分の体調を自己申告しやすい雰囲気をつくるようにしている。◦インフルエンザの予防接種の無償化全職員に対して、インフルエンザの予防接種を無償で実施している。あわせて予防投与も行い、職員の健康管理に役立てている。◦ワーク・ライフ・バランスの推進高齢職員の体調管理の一環として労働時間と休日についての見直しを図った。2019年より勤務時間を7・5時間から8時間に変更する一方、年間休日を108日から12日増加し120日とした。さらに年次有給休暇の時間単位取得制度を導入するなど、ワーク・ライフ・バランスの推進を図っている。(4)高齢職員の声Aさん(66歳・女性)は、看護師として週40時間勤務するなかで、豊富な経験を活かして若手の指導もしており、周囲からの信頼も厚い。「柔軟な勤務制度のなかで自分の時間が大切にできる」とのこと。Bさん(67歳・女性)は介護福祉士の資格を持ち、どんな状況にも対応できる順応力に優れている。改善提案も積極的に出す姿勢は職員のよき手本となっている。(5)今後の課題働く人の満足が、利用者の満足と信頼につながると考え、「100歳まで働ける環境づくり」を一層進めていきたいという同法人。具体的な取組みとして、定年の廃止とともに、職員のプライベートライフに対応できるようなフレキシブルな勤務体制の構築を視野に入れている。地域医療に貢献するためにも、質の高いサービスの提供が求められていることを職員がしっかり受け止め、一丸となってさらなる高みを目ざしていく。職員の負担を軽減するために導入された介護ロボット(HAL)各職場で高齢職員が豊富な経験を活かして活躍している

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