エルダー2020年10月号
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企業プロフィール2020.1028高年齢者雇用開発コンテスト 令和2年度本事例のポイントⅠ1947(昭和22)年に設立された英興株式会社は、創業以来、石せき英えいガラスや工業用ガラス材料の加工・販売、工業用セラミックの加工・販売を中心に業容を拡大してきた。同素材を扱う会社は全国的に珍しく、国内でも比較的少ないといわれている。石英ガラスの加工には特殊な能力が求められることから、熟練の高齢社員が会社の屋台骨を支えている。また、若手社員への技術指導もになう高齢社員が、長く働ける職場環境の整備は必須であり、さまざまな取組みを展開している。 《POINT》(1)60歳でも元気に能力を維持できている社員が多いことや、業種的に長く技術を蓄積した職人が必要であることから、定年を65歳に引き上げた。また、希望者全員を70歳まで継続雇用し、運用により70歳を超えても雇用の継続を実現した。(2)長く蓄積した技術を効果的に活用するため、熟練の高齢社員の持つ「自分のやり方」の手順を標準化・統一化することで、作業のスピードアップを実現した。(3)熟練の高齢社員が若手社員とペアを組み、技能を伝承している。高齢社員間で若手社員を育成する競争意識が芽ばえるなか、指導意欲が向上するなど相乗効果が生まれている。企業の沿革・事業内容Ⅱ同社は、1947年9月に石英ガラスの販売を主な業務として創業、その後、加工を手がけ英興 株式会社(京都府京都市)高齢者の技術・技能継承の仕組みを確立しだれもが力を発揮できる職場風土を創出厚生労働大臣表彰特別賞英興 株式会社(京都府京都市)◎創業 1947(昭和22)年◎業種 石英ガラス製品加工販売等◎社員数 94人 60歳以上 16人( 内  訳 ) 60~64歳 9人 (9.6%) 65~69歳 2人 (2.1%) 70歳以上 5人 (5.3%)◎定年・継続雇用制度定年は65歳。希望者全員70歳まで継続雇用、その後は健康状態と意欲により1年更新。現在の最高年齢者は76歳

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