エルダー2020年10月号
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エルダー45ムーズに遂行できるようにサポートすることがやりがいになっています。楽しく仕事をしていれば、きつい仕事も楽らくに思えてくるものです」栗原さんは兼業農家なので、米の収穫時期には4〜5日間ほど有給休暇をとって稲刈りに集中しているそう。これからはさらに健康に留意して、生涯現役を目ざしたいと語りました。栗原さんと測量の現場作業でコンビを組むことがある深ふか谷や岳たけ史しさん(40歳)は、栗原さんについて次のように話します。「栗原さんは明るくだれとでも気さくに話ができる人柄で、男女や年齢を問わず親しまれ、みんなから頼られています。現場作業では若手よりも元気ですね。知識が豊富なので、現場で不安定な斜面を登る際に、より安全なルートを素早く把握して提示してくれたり、現地の測量の際に、効率的に作業を進めるためのアドバイスをしてくれます。急傾斜地で作業する際は、安全のためのロープの張り方などを教えてくれ、助けてもらっています。当社になくてはならない存在です」生なま田た目め善よし男おさん(65歳)は、開発部開発課に所属。県内外で進められている風力発電の風車施設計画の書類作成業務を担当。正社員として、週5日、フルタイムで勤務しています。建設会社に長年勤めた経験があり、東日本大震災の災害復旧作業にたずさわったことをきっかけに藤建技術設計センターに入社しました。入社以降、福島県が行う除染事業に出向していましたが、2019年に本社に戻り、現在の部署に配属されました。「仕事の内容がガラリと変わり、とにかく職場に慣れることが肝要だと思っています。風力発電という特殊な業務ですので、風車の専門的な事柄について覚えることがたくさんありますね」慣れない仕事に取り組むうちに、パソコンの操作はむずかしいながらも、一つひとつできるようになるのが楽しいと感じているそうです。「日々の作業を通してスキルを少しずつでも伸ばしていくことを続けていきたいですね」(生田目さん)。同じ職場で働く小こ室むろ尚なお隆たかさん(27歳)は、生田目さんの仕事ぶりについて、次のように話します。「生田目さんは決められた仕事や頼まれたことにきちんと対応されています。専門性の高い内容を学ばなくてはならずたいへんだと思いますが、新しい技術にもチャレンジし、自分から積極的に質問をされ、その前向きな姿勢を尊敬しています。私よりずっとたくさんの経験がある方なので、いろいろと教わっていきたいです」社員を「人財」として大切にする藤建技術設計センターでは、事故予防と社員の健康維持のために、職場環境の整備にも注力しています。2020年4月に落成した増築部分の社屋は、三階建てですがエレベーターがあり、階段には手すりをつけて高齢社員に配慮しました。健康維持の取組みとしては、スマートフォンのアプリケーション「ふくしま健民アプリ」を活用し、日々の歩行活動を社員に推奨しています。福島県が実施している「『元気で働く職場』応援事業※」にも参加することが決まっているそうです。最後に、近藤社長は、「山崩れなど森林災害の誘発原因になっている放置された森林の整備(森林事業)に力を入れ、整備によって産出される間かん伐ばつ材ざいを活用したバイオマス促進事業も展開していきたいですね」と、今後の新たな目標について話してくれました。 (取材・西村玲)新しい仕事にも前向きにチャレンジしている生田目善男さん※ 「『元気で働く職場』応援事業」…… 県内各方部で県保健福祉事務所が核となり、市町村、職域保健などと連携しながら、モデル事業を選定し、事業所における健康づくりを支援する事業

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