エルダー2020年11月号
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2020.1110年8月に定年制廃止を就業規則に明文化した。◦勤務制度の見直し柔軟な勤務制度として、始業時間を8時・8時30分・9時、終業時間を17時30分・18時のいずれかから選択できるようにした。また、自身の都合のよい日・時間で働くことができる短時間勤務制度がある。さらに、時間有給休暇制度を導入したことで、定期的に通院している社員や子育て世代の社員に歓迎されている。会社として有給休暇100%取得を推進しており、有給休暇を取得しやすい環境が構築されている。◦賃金制度2021年4月からは賃金制度の見直しを予定している。まず、成果給を取り入れ、やる気がある者の給与を増やすこと、また、全員同額の第一基本給と、同一労働同一賃金を実現するため職場ごとの特性に応じた第二基本給を組み合わせた賃金制度を検討しており、来年の4月から新制度の具体化を目ざしている。諸手当としては、皆勤手当、子育て支援手当、禁煙手当が全社員対象に支給される(短時間勤務の社員は勤務時間数により支給額が異なる)。さらに、ピアノ仕入部門の社員に対しては、身み嗜だしなみ手当(散髪代など)が加わる。これは主に外回りを担当するため、担当社員、ひいては会社に対してよい印象を持ってもらうために支給されるものである。なお、退職金制度についても見直しを進めており、加入中の中小企業退職金共済に加えて、自社での追加的な退職金を用意する方向で検討中である。(2)意欲・能力の維持・向上のための取組み◦障害者雇用と後進の育成2014年に、高齢社員が特別支援学校の職場体験指導を担当したことがきっかけとなり、特別支援学校を卒業して入社した社員の指導を高齢社員が担当している。現在、全社員119人のうち知的障害者5人、精神障害者1人、視覚障害者1人が、ピアノ工房部門でピアノのクリーニング・修理業務に従事している。2019年には「千葉市就労準備支援室・ユニバーサル就労ネットワークちば」からの紹介で、他社を2年以上休職していた男性を職場体験後、社員として採用した。職場体験では最高年齢者の社員が指導を担当、本人の希望によりピアノのクリーニング業務に従事し、安定した成果を上げている。このように高齢社員が後進の育成に大きく貢献している。(3)雇用継続のための作業環境の改善、健康管理、安全衛生、福利厚生の取組み◦作業環境の改善作業が快適に行えるよう、屋上の換気装置から常に新鮮な空気を取り入れるとともに、1年を通して工房内の温度管理を行っている。また、作業で使用する有機溶剤などによる健康被害防止のために、年2回、社内の環境測定と、特定化学物質等健診を実施し基準をクリアしている。◦作業場の個人ブース化ピアノ工房部門の作業スペースに個人の専用ブースを設け、必要な工具類や消耗部品を一式取り揃えている。その都度歩いて取りに行く時間的・体力的負担が軽減され、作業効率・生産性が向上した。◦照明のLED化ピアノ工房部門の天井照明をLEDに変更した。LED化することで、視力が低下傾向にある高齢者に働きやすい環境を整備した。高齢社員からは目の疲れが軽減しただけでなく作業効率も上がったと好評である。◦健康管理全社員が使用できるトレーニングルーム(冷暖房完備)を新設した。ウォーキングマシン、複合マシン、ベンチプレス、ストレッチグッズが備えられており、特にウォーキングマシンは

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