エルダー2020年11月号
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特集令和2年度 高年齢者雇用開発コンテストⅡエルダー15◦福利厚生①リフレッシュ休暇制度2013年から全職員を対象に、リフレッシュのための7日以上連続した休暇の取得を推進している。連続して休む場合は、休暇中の仕事を同僚に引き継ぐために自分の仕事を棚卸しし、整理する必要があったことから、業務の効率化という相乗効果が生まれている。また、急病などで休んだ場合も代替が可能となり、チーム力が向上した。②4週間ローテーションの実施リフレッシュ休暇の取得や趣味・活動・自己啓発などの予定が立てやすくなるよう、2013年から職員ごとに公休を固定化したうえで、1年を4週間ごとに分け、13パターンのローテーションを組み、固定化させた。これにより自身の予定が立てやすくなったという声があがっている。③コミュニケーションの向上スタッフが気持ちよく働ける職場環境が構築されてこそ、きめ細やかな介護が実現できるという観点から、日ごろのコミュニケーションの回数を増やすことを重視している。具体例としては、誕生日には理事長から全職員に手書きの誕生日カードが送られるほか、職場の同僚に向けて感謝の気持ちを書いて送り合う「サンクスカード」の仕組みが定着している。お互いに感謝する習慣が身につくことで人間関係が熟成され、職員の定着率の向上に結びついている。(4)高齢職員の声勤続28年の石いし室むろ智ち代よ子こさん(73歳)は、在宅のケアマネージャーとして週4日勤務している。46歳で正職員として入社し、65歳以降は限定正職員として現在の勤務体制となった。同法人への入職前から介護職で働いており、周囲からの信頼も厚い。「ケアマネージャーの資格はここで取得させてもらいました。人に会うのが好きなこと、少しでもだれかの役に立てることが嬉しくて毎日充実しています。定年制の廃止で、意欲があればいつまでも働ける職場環境が整備されたので、『健康に気をつけて元気にがんばろうね』と仲間たちと話しています。最高齢で85歳のヘルパーさんが活躍しているので、私もまだまだ負けていられません」と力強く語る。(5)今後の課題検討課題の一つに、60歳以降も正職員として働き続けていくために、肉体的負担の大きい介護現場の仕事内容のさらなる見直しを考えている。具体的には専門職として行う業務と、それ以外の業務を見極め、業務担当を見直していくことである。また、人材確保のため高齢者をはじめ障害者、外国人、子育て中の女性などを積極的に採用することも視野に入れている。「関わるすべての人を幸せにすることこそ法人の使命」という理念のもと、不断の努力が続く。ケアマネージャーとして活躍している石室さんコミュニケーションツールになっている「サンクスカード」

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