エルダー2020年11月号
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企業プロフィール2020.1116高年齢者雇用開発コンテスト令和2年度本事例のポイントⅠ溝端紙工印刷株式会社が印刷事業に着手したのは1世紀以上前の1907(明治40)年のことである。1947(昭和22)年に株式会社を設立後、飲食店向けの紙製品の製造を中心に73年の歴史を重ねてきた。主な営業品目のうち、箸袋や紙おしぼり、紙ナプキンなどの国内生産量は常に業界をリードしてきた。また、北海道の間伐材を使った割箸を製造するなど、環境問題にも取り組んでいる。一方、女性の活躍支援にも注力しており、出産・育児の際には短時間勤務の選択が可能で、その後、フルタイム勤務に復帰できる環境も整えている。現在、全国に8営業所、7工場を展開し、地元出身者を中心に採用。雇用の場を創出することで地域貢献を目ざしている。 《POINT》(1)社是に「事業は人なり」を掲げ、社員が長く働ける職場環境づくりを進めてきた。60歳定年後、希望者を年齢の上限なく雇用する制度を20年前から導入している。(2)2016(平成28)年に新たな賃金体系を構築。定年後も同じ仕事を続ける場合は給与が下がることはなく、さらに定年前と同じ基準で評価する人事評価制度を取り入れ、現役世代と同様、昇給・賞与がある賃金制度としている。(3)2016年の新工場開設をきっかけに、LED照明や自動ラック倉庫などを整備。高齢社員をはじめ、すべての社員が働きやすい職場環境を整備した。(4)新卒・中途を問わず、求人の募集要項には、「60歳以降も給与・賞与は下がらず、引退年溝みぞ端ばた紙工印刷 株式会社(和歌山県伊都郡)生涯現役人生を推奨しだれもが活き活き働ける職場風土を実現(独)高齢・障害・求職者 雇用支援機構理事長表彰優秀賞溝端紙工印刷 株式会社(和歌山県伊都郡)◎創業 1947(昭和22)年◎業種 飲食店用紙製品のデザイン・製造・販売等◎社員数 294人 60歳以上 59人( 内  訳 ) 60~64歳 35人 (11.9%) 65~69歳 13人 (4.4%) 70歳以上 11人 (3.7%)◎定年・継続雇用制度定年は60歳。その後希望者全員、年齢の上限なく再雇用。現在の最高年齢者は75歳

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