エルダー2020年11月号
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特集令和2年度 高年齢者雇用開発コンテストⅡエルダー21置した。また、健康診断結果を職場で管理するなどの健康対策が社員の健康意識向上につながっている。企業の沿革・事業内容Ⅱ株式会社ルネックスは、1971年に鳥取県倉吉市にて、有限会社メガネの太田として創業。全国的にチェーン展開を行う格安メガネ店が増加するなか、地元に密着した老舗メガネ店として、メガネ・補聴器・コンタクトレンズなどの販売事業を、県内5店舗で展開している。本業のメガネなどの販売のほか、地域貢献事業にも力を注いでおり、1984年には倉吉本店に、地域で活躍する作家の作品を展示する「コミュニティプラザ百花堂」を創設した。さらに米子本店(1991年オープン)、鳥取本店(2002年オープン)にも「百花堂」を併設し、地域の人々との交流の場となっている。百花堂は事務局を高齢社員が担当しており、高齢社員活躍の場の創出事業としても位置づけている。さらに社会貢献の取組みとして、NPO法人を設立し、全国の同業他社に呼びかけ、不要になったメガネを回収・再生し、タイ王国へ無償提供を行っている。高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方Ⅲ現在、30人の社員のうち、60歳以上は3人(男性2人、女性1人)で、全社員の10%を占めている。男性はともに営業職で40年以上のキャリアがあり、女性は「百花堂」で短時間勤務で働いている。メガネ・補聴器の販売においては、顧客の視力・聴力などを的確に測定する専門的知識や、顧客の要望に応じたデザイン・機能のアドバイスを行うため高いコミュニケーション能力が求められる。同社の高齢社員は、それぞれがメガネ業界での経験が長く、熟練した技術を有し、知識によるお客さまへの提案力、製品の特長の理解度、測定技術、卓越したコミュニケーション能力などに優れており、欠かすことのできない戦力となっている。特に補聴器の販売については、高齢社員と同世代のお客さまが多く、話題の共通性はもちろん、お客さまの心に寄り添った接客ができており、若手社員のよき手本となっている。改善の内容Ⅳ(1)制度に関する改善◦定年延長・継続雇用制度「60歳になっても、65歳になっても、70歳になっても、本気さえあれば現役続行ができる」という理念を掲げ、生涯現役で働ける職場の創出を目ざして、2020(令和2)年3月に就業規則を改定。定年を65歳、継続雇用年齢を70歳に引き上げた。同時に職場環境の改善を図り、多様な勤務形態実現のために短時間勤務制度の導入などを実施した。生涯現役を目ざす方針は、高齢社員はもとより全社員のモチベーションアップにつながり、売上げ向上にも反映されている。◦多様な勤務形態の導入魅力ある職場づくりのためには、社員の満足ルネックス倉吉本店

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