エルダー2020年11月号
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エルダー35[萩原プランナーから]「事業所訪問では、訪問先の方のお話を大切に聞くことを第一に心がけています。一期一会の気持ちです。そのために、企業の実情や業界の情報、特に、地域の業界事情をできるかぎり事前に調査したうえで訪問するよう努めています」高齢者雇用の相談・助言活動を行っています◆茨城支部高齢・障害者業務課の笹島課長は萩原プランナーについて、「1995年より長きにわたり、社会保険労務士としての知識、経験をふまえ、きめ細かい相談・助言活動をしています。特に、地域の水産業に長くたずさわっていることから、多くの水産会社を担当してもらっています。穏やかな人柄からは想像できないのですが、ソフトテニスでは全国大会に出場するなど趣味の域を超えた活躍もしている、バイタリティーあふれるプランナーです」と紹介します。◆当課はJR水戸駅南口より徒歩10分ほど。茨城労働局は徒歩圏内、茨城県庁までは車で15分ほどと、各行政機関と連携が取りやすい環境にあります。近くには水戸偕楽園があり、偕楽園下の千せん ば波湖では白鳥や黒鳥などが見られ、市民の憩いの場となっています。◆当課には11人のプランナー・アドバイザーが在籍し、茨城県内の事業所訪問を通じて、高齢者雇用に関する相談・援助業務を行っています。2019年度は716件の相談・助言活動を実施し、65歳以上への定年年齢引上げ、あるいは65歳を超えた継続雇用延長の提案を149件実施しています。◆相談・助言を無料で行います。お気軽にお問い合わせください。●茨城支部高齢・障害者業務課住所:茨城県水戸市城南1-4-7 第5プリンスビル5階電話:029(300)1215アドバイザー・プランナー歴:26年萩原正健 プランナー (84歳)「人材」は事業継続の重要な要素株式会社大倉商事は、1965(昭和40)年に創業した、野菜加工や食料品の研究・開発・生産・販売・輸出入業務などを行う会社です。主にレストランやスーパーマーケットなどの発注先から、注文に応じて野菜をカットして届ける業務を手がけています。また、茨城県産のさつまいもを使用した「焼いも」、「芋けんぴ」などのオリジナル商品の製造・販売も行い、なかでも「常温で保存できる焼いも」が人気商品となっています。同社の矢や越こし誠一総務部長は、同社の事業のあり方について、次のように話します。「安心・安全な食材を安定的にユーザーに届けることを社是とし、目先の利益にとらわれず長期的な信頼関係の構築を念頭に、仕入先、販売先ともにwin‐winの取引きを心がけています。そのなかにあって、『人材』は、事業継続の重要な要素と考え、社長が中心となって定期的な社内イベントを企画するなど、働きやすく、親近感のある事業所を目ざしています」同社では萩原プランナーが訪問する前の2009年5月に定年年齢を60歳から65歳に引き上げ、65歳以降は希望者全員を1年更新で継続雇用する制度を導入しました。もともと定年年齢以降も働き続ける社員が多かったことから、制度として整備したそうです。できる業務は何でもやってもらう同社の社員数は199人。うち164人が野菜加工の仕事に従事しています。平均年齢は54歳。矢越誠一総務部長

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