エルダー2020年11月号
38/68

2020.1136して作業しています」(菊池さん)工場内ではいくつかのチームで作業し、先に終えたチームはまだ作業中のチームを手伝い、協力してその日の作業を終えるそうで、そうした職場のチームワークのよさにもやりがいを感じているとのこと。「カットした野菜が総菜になり、売れ行きがよいといった評判を聞くことも嬉しいですね。定年後も同じ職場で若い人たちと一緒に働けることに感謝しています。私自身も向上心を持って元気に仕事を続けていきたいですね」(菊池さん)本社第1工場の藤枝駿しゅん係長は、菊池さんについて次のように話します。す。また、夏祭りなどは退職した元社員の方々が孫を連れて遊びに来ることもあるそうで、同社が人を大切にする経営をされている様子がこうしたエピソードからも伝わってきます。さらに、イベント時には業務改善に関する社内川柳を募集し、優秀な作品を表彰。社員のモチベーションの向上につながっています。毎年70〜80作品の応募があるそうです。今回は、同社の本社第1工場で、主に野菜加工を担当する方々に話を聞きました。戦力、プラスαのありがたい存在菊池敬けい子こさん(68歳)は、主に機械による野菜カット・計量・包装・カット野菜を総菜用にセットする袋詰めなどを担当し、週4日フルタイムで勤務しています。医療事務の仕事を経て、44歳のときに同社に入社しました。当初から野菜加工を担当し、多くの作業の経験を積み、以前は第1工場で課長を務めていたそうです。定年と同時に役職は降りましたが、同じ職場で仕事を継続し、若いリーダーや新入社員をサポートする役割もになっています。「定年後も同じ仕事をしているので慣れてはいますが、だからこそ気を引き締め、指示書をしっかり確認することや、けがをしないように注意を最高年齢者は77歳の男性で、野菜を入れるカゴの洗浄作業などを担当しています。「近年は新規学卒者やパートタイム社員も含めて若手から中堅世代の採用が細っており、高齢者は当社の業務を維持するうえで重要な戦力として期待しています。当社は、よくも悪くも体力を要する業務配置以外は特に年齢を区別しない社風が定着しています。年齢にかかわらず、できる業務は何でもやってもらう方針で、スキルマップによる担当業務の汎用化計画には、高齢者も含まれています」(矢越総務部長)ひと口に野菜の加工といっても、いろいろな形にカットをするための機械が何種類もあり、それらの扱いや整備・計量・袋詰め・箱詰め・フォークリフトによる作業など、受注から出荷までの多様な作業について、多くのことをになえる人材になるよう、同社では社員を育成し、状況に応じて、臨機応変に業務分担をしているとのこと。長く勤務している高齢社員には多様な作業をになえる人が多く、重要な戦力となっています。同時に、若手社員のサポート役として活躍している人もいます。一方、大倉定さだむ代表取締役社長の発案のもと、ボーリング、旅行、夏祭り、忘年会や新年会など、年間を通じて多くの社内行事が行われています。特に、社員旅行は仕事の状況に合わせて1人でも多く参加できるように、2週連続で実施していま豊富な経験を活かし、野菜カット業務をになっている菊池敬子さん

元のページ  ../index.html#38

このブックを見る