エルダー2020年11月号
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2020.1156※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「本体価格」(消費税を含まない価格)を表示します亀田高志 著/エクスナレッジ/1400円+税一般社団法人日本経済団体連合会 著/経団連出版/1000円+税図解 新型コロナウイルス メンタルヘルス対策日本の労働経済事情 2020年版人事・労務担当者が知っておきたい基礎知識経団連が毎年、新任の人事・労務担当者向けに制作している、定評あるテキストの最新版。適切な雇用管理を実現するために必要不可欠な情報や、主要な労働法制の概要とその改正動向、労働市場の現状などについて、図表を豊富に用いてわかりやすく解説している。2020年版には、働き方改革関連法の内容をはじめ、労働関係法令の改正内容のほか、雇用調整助成金や企業の事業継続計画(BCP)対応などの新型コロナウイルス感染症に関するトピックスが盛り込まれた。もちろん2021年4月に施行される、改正高年齢者雇用安定法も取り上げている。本書全体は「労働市場の動向・雇用情勢・労働時間と賃金の概況」、「人事・労務管理」、「労使関係」など、七つの章から構成されており、全体のほぼ半分を占める「労働法制」は、労働基準法や労働契約法、労働者派遣法など、主要な労働関係法令の概要と、改正がある場合はそのポイントが的確にまとめられている。新任担当者がアウトラインを把握しやすいことに加え、ある程度の経験を積んだ担当者にとっても、実務に必要な知識を補強することができると思われる。執筆は経団連の各部門が分担しており、内容も折り紙つきだ。一体いつ収まるのだろう。ワクチンの開発は? 仕事は続けられるだろうか? 新型コロナウイルスがもたらす、先の見通せない不安が募るなか、感染拡大を防ぐための対策によって生活や仕事の変化を余儀なくされ、だれもが少なからずストレスを感じる毎日が続いている。本書は、そうした不安やストレスから自分と家族、同僚や職場を守る方法を教えてくれる、コロナとメンタルヘルスに特化した対策マニュアルだ。著者の亀田氏は、医師で労働衛生コンサルタント。職場の健康管理と危機管理を専門として、働く人のメンタルヘルス相談や研修、講演などで幅広く活躍し、本号でも執筆していただいている(50〜54頁)。本書では、働く人やその家族を対象に、コロナ禍で直面する不安や困りごと、心身の不調への対処と予防について、「テレワークに慣れずイライラする」、「在宅勤務で日頃から反応が悪い部下にキレてしまう」など、最近ありがちな52の例を挙げ、Q&A方式によって対処の道筋を示すとともに、ダメージからしなやかに立ち直るための「レジリエンス」という考え方を紹介している。人事担当者やビジネスパーソンにおすすめの、いますぐ役立つ一冊である。コロナ不安への対処や、ダメージから立ち直るための回復力を強くする方策を示す適切な雇用管理を実現するために必要不可欠な情報を網羅

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