エルダー2020年12月号
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2020.1234仕事が楽しいから、70歳まで働きたい木村清美さん(66歳)は、62歳で「オフハウス千葉ニュータウン中央店」(千葉県)に入店して今年で4年目になります。洋服・雑貨・食器・ベビー用品・バッグなどの品物をクリーニングして、袋詰めし、売り場に陳列する仕事を担当しています。週3日、フルタイム勤務と短時間勤務を組み合わせて働いています。以前は、歯科衛生士として働いており、定年まで勤め上げました。「赤ちゃんから老人まで、ずっと口の中だけを診てきました(笑)。いまの仕事は、日常の生活用品を幅広く扱うので、ある意味で馴染み深く、2019年5月に初めてヌマニウコーポレーションを訪れました。訪問当時、福田部長は定年前に見受けられる50代社員のモチベーションの低下について、齊藤プランナーに相談したそうです。そこで、齊藤プランナーは、50歳以上の社員と店長を対象に就業意識向上研修や企画立案の活用などを提案しました。「仕事能力把握ツールにより、社員の気持ちを把握することもおすすめしました。健康管理診断チェックリストや仕事能力把握ツールは、分析結果をお伝えするとほとんどの企業が『ここまでわかるのか』と感心されます。特に仕事能力把握ツールは入力と分析に時間がかかりたいへんですが、企業から信頼される早道。良好な信頼関係を続けることができます」(齊藤プランナー)また、担当する企業に大企業の子会社が多い齊藤プランナーは、高齢者雇用の形に変化が見えると話します。「高齢社員は会社へのロイヤリティ(忠誠心)が強く、仕事が安定している、という企業が増えてきました。なかでも、短日勤務などで仕事と趣味を両立できている高齢社員は、仕事に対して喜びを感じる人が多いようです」(齊藤プランナー)今回は、店舗で接客や商品のクリーニング、品出しなどを行っている高齢社員のお2人に話を聞きました。契約社員(フルタイム)を選べるようになりました。また、パートタイマーにおいては、勤務日、勤務時間を毎年更新の際に見直すことができます。ベテランの豊富な商品知識と人間性に固定ファン家電量販店からリユース事業に転換したヌマニウコーポレーションにとって、量販店時代から働く高齢社員は貴重な存在です。同社の福田洋子経営管理部長は次のように話します。「高齢社員は、家電製品やパソコンなど古い商品の知識が豊富なため、リユース品を購入するお客さまに的確なアドバイスをすることができます。それが地域の方々の信頼につながっていますし、安心感や人間性から固定ファンがつく高齢社員も少なくありません。それはパートタイマーとして長年働くスタッフも同じで、お客さまとのコミュニケーション手法は、若いスタッフの参考になっています」こうしたベテラン社員の安心感を与える接客や働きぶりは、再雇用制度の年齢を延長した要因の一つにもなっています。「仕事能力把握ツール」による分析を推奨栃木県の県南地域を担当する齊藤プランナーは、洋服や雑貨、ベビー用品などを担当している木村清美さん

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