エルダー2020年12月号
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エルダー35違和感なく始められました。『これを探していたの!』とお客さまが商品を手に笑顔で会計をする姿を見るとこちらも笑顔になります」昨年65歳を迎えるにあたり退職するつもりでいたところ、再雇用制度の改定があり12月に雇用延長を打診されました。「『これからも笑いの絶えないスタッフに囲まれて働ける』と思い嬉しくなりました。若い先輩方に教えてもらいながら自分も楽しみ、これからもがんばります」同店の国くに定さだ裕ゆう一いち店長は、木村さんの仕事ぶりについて次のように話します。「木村さんは自分の持ち場だけではなく、ほかのスタッフの様子を見ながら、レジ、電話対応などを行ってサポートしてくれます。声がよく通り、プラス思考で、職場のムードメーカーとしても活躍してくれていますよ。お店には年配のお客さまも多く訪れますが、木村さんと楽しそうに会話をしています」柿かき沼ぬま田た鶴づ子こさん(66歳)は、「オフハウス125号古こ河が東店」(茨城県)でバッグやアクセサリーの販売・買取り・クリーニング・陳列などを担当しています。49歳で入社してから、勤続年数17年を数える大ベテランです。入社以来、週5日、10時45分から20時の遅番勤務を続けています。「仕事は楽しんでする」がモットー。同店の松崎学店長は柿沼さんを〝職場の模範的な存在〞と評します。「柿沼さんは仕事に対する意識が高く、仕事に取り組む姿勢、考え方がみんなの模範です。職場のお母さんのような存在で、スタッフみんなの精神的な支柱にもなっています。頻繁に手料理も差し入れてくれて、美味しくいただいています」二年前、オフハウス125号古河東店は、ほぼ全焼する火災事故に見舞われ、9カ月間の休業を余儀なくされました。当時は再開の目途も立たず、同店のスタッフは別の店舗で働くことに。当時、旧制度下で65歳の誕生日を迎えていた柿沼さんは、残った有給休暇の消化中で、実質的には定年退職している状態でした。「何年も働いてきたお店がこんなことになってショックでした。遠くにある別の店舗で働き始めたスタッフたちが心配で、差し入れを持って様子を見に行ったこともあります。こんな状況のために仲間が少しずつ辞めていくのも寂しいものでした」(柿沼さん)店舗の存続にあたっては会社の会長に直談判をしたそうです。晴れてリニューアルオープンが決まった際は、柿沼さんに戻ってきてほしいと真っ先に声がかかりました。今後については、「仕事は掃除や草取りでも、行った後の達成感が最高です。足が動くかぎり70歳までがんばりたいですね」と、柿沼さん。「お店は、経験豊富なベテランがいてくれるおかげで成り立っています。現場としては、会社が再雇用を延長してくれたことは非常にありがたいと思っています」(松崎店長)リユース品はインターネットやフリーマーケットアプリなどで手軽に取引ができるようになりましたが、ヌマニウコーポレーションはリアル店舗の利点である対面接客による取引の安心感や商品への信頼性を活かしたサービスを重視しています。今後は高齢社員に高齢者目線でどのようなサービスが必要なのかを提案してもらい、新たなサービスにつなげていくことも検討しているとか。今後も、高齢社員のみなさまの活躍が楽しみです。 (取材・西村玲)ブランドバッグやアクセサリーなどを担当する柿沼田鶴子さん

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