エルダー2020年12月号
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2020.122ビジネスコンサルタント・有限会社エマメイコーポレーション 代表取締役大塚 寿さん長を紹介してもらい、その人たちから通常は聞けないような現場のリアルな話を数多く聞く機会にも恵まれました。その結果、入社1年目でトップセールスを達成することができました。そのときに「自分だけの思いや考えだけで行動すると失敗する。成功する・しないはともかく、仕事の方法などはさまざまな人のアドバイスに耳を傾け、正しい情報を持ち、正しい行動をとることが正解だ」と悟ったのです。―「人生100年時代」といわれますが、ちょうど折り返し地点にあたる40〜50代が今後充実した日々を送るためには、どのような準備が必要でしょうか。大塚 ご自身の10年後、そして65歳以降のワークライフのイメージを描き、準備することをおすすめします。例えば、定年間際になって準備しても、何らかの資格を取得するには間に合いません。できれば10年、短くても5年程度は準備に費やしたい。40代から準備す―高校受験・大学受験・就職活動では失敗と挫折の連続だったそうですが、入社した会社ではトップセールスマンとして活躍されました。何がきっかけだったのでしょうか。大塚 高校受験では地域の一番校を目ざしてがんばったのですが、模試の結果が微妙で、結局チャレンジするのをやめました。いわば敵前逃亡です。高校ではそれなりに勉強して大学を受験したのですが、第一志望の受験は失敗。就職活動でも第一志望の会社をあきらめ、株式会社リクルートに入社しました。この会社で、これまで負け続けた人生のリベンジを仕事で果たそうと決意したのです。ラッキーだったのは、営業の天才といわれた先輩がいて、私と同郷、しかもその人の弟が私の姉の同級生という縁で、営業のノウハウを徹底的に叩き込まれたことです。その先輩のツテで証券会社のトップセールスマンなど各業界のプロと出会い、教えを受けるだけでなく、中小企業のオーナー社長や大企業の部長・課れば50代から準備した人と比べて転職も有利になります。幹部人材としての転職も可能ですし、さまざまな可能性があります。そこでぜひやってほしいのが、「いまの自分」を5段階で分析することです。それは、①自分の業界、②自分の会社、③自分の部門、④直属の上司、⑤自分自身、の五つです。自分の業界は将来も有望なのか、会社は業界のトップ企業なのか、中小企業なのか、そして10年後、20年後はどうなっているかを予測する。また、安定している企業でも自分の部門は本流なのか、傍ぼう流りゅうなのか、あるいは赤字部門なのか、上司は信頼に値する人なのかを評価する。最後は「自分」ですが、結局自分というのは大海に浮かんだ船のような相対的存在にすぎません。多くの人は自分の分析だけで済ませてしまいますが、「業界」、「会社」、「自分」の順に分析するのが大事なのです。 その結果、自分の業界が斜陽産業であり、会社も右肩下がりで今後自分の能力を活かすことができないと予想されるのであれば、転職することも考えたほうがよい。また、いまの会社に残るにしても出世を目ざすのか、諦めるのかの決断をする。50代であればある程度決着がついているでしょう。そのうえで自自分自身の客観的な市場価値を知り早い段階から準備することが重要

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