エルダー2020年12月号
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株式会社グローセンパートナー 執行役員・ディレクター 吉岡利之人事用語辞典■■■■■■■■いまさら聞けない 人事労務管理は社員の雇用や働き方だけでなく、経営にも直結する重要な仕事ですが、制度に慣れていない人には聞き慣れないような専門用語や、概念的でわかりにくい内容がたくさんあります。そこで本連載では、人事部門に初めて配属になった方はもちろん、ある程度経験を積んだ方も、担当者なら押さえておきたい人事労務関連の基本知識や用語についてわかりやすく解説します。2020.1246「昇格」と「昇進」の違い「昇格」と「昇進」は言葉も似ていますし、混同されることが多い用語です。文章だけで理解するのはむずかしいので、「等級体系」を表した図表を使って説明します。等級については連載第1回(本誌2020年6月号)の「人事制度」で解説しましたが、求められる役割や業務に必要な能力を定める区分のことです。図表では1等級〜M2等級までの記号で書かれた部分になります。1等級が求められる役割や能力のレベルがもっとも低く、上の等級に移動するほど高くなります。この上への移動を「昇格」といいます。各社員を本人のレベルにあった等級に配置しますが、等級=格とみなして「格付」と呼ぶこともあります。一方で「昇進」は図表では「役職」と書かれた部分にかかわってきます。役職は権限や裁量の程度を示すものになります。こちらも下の課長補佐の権限や裁量がもっとも小さく、上の役職になるほど大きくなります。この役職が上がっていくことを「昇進」と呼びます。まずは、この昇格と昇進の違いを押さえておいてください。なお、昇格・昇進とは逆に下がっていくことを「降格・降職」と呼びます。昇格・昇進とポストここまで解説したところで、等級と役職が分かれているから複雑になるのであって、等級・役職、昇格・昇進を一体化したらよいのではないかと疑問を感じる方もいるかもしれません。しかし、「ポスト」という観点から一体化はむずかしいといえます。ポストとはいろいろな解「昇格・昇進」第7回※ 第1回(6月号)~第6回(11月号)はホームページでご覧になれます。エルダー 人事用語辞典検索出典:筆者作成図表  等級体系管理職一般職〈等級〉昇格昇進〈役職〉M2等級M1等級5等級4等級3等級2等級1等級部 長課 長課長補佐担当部長担当課長

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