エルダー2020年12月号
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エルダー3―定年後に職場や仕事を変える人も多いですが、望ましい「セカンドキャリア」についてはどのようにお考えでしょうか。大塚 非常に大事なことですが、こればかりは人それぞれです。セカンドキャリアだからこそ、自分がやりたいこと、もしくは自分ができることをやることが理想ですが、実はやりたいことが浮かばない人も多い。その場合は先ほどの守備範囲を考え、自分のできることを目ざしてほしいと思います。 転職では「大手から中小」系、「中小から中小」系、「専門職」系もあります。大企業から中小企業への転職がもっとも多いのですが、中小企業の経営者からは「守備範囲が狭い」と低く評価されることもあるので、くり返しになりますが守備範囲を広げておくことが重要です。 そのほかに起業・フリーランス系、事業承継系、開店・開業系、雇われ経営者系、大学講師系、第1次産業系など、さまざまなパターンがあり、幅広い選択肢があることを知ってほしいですね。起業といっても従業員を雇う大がかりなものではなく、「一人起業」でサラリーマンのときよりも自由にやりたいことをやって、少し余裕のある生活ができればいいという程度の目標で十分でしょう。「一人コンサルタント」をやっている知人は、年間の売上げが500万円ほどですが、やりがいを感じて仕事をしています。法人化しなくても、業務委託などフリーランスという選択肢もあります。事業承継系では、中国から商品を仕入れてアマゾンに出店している会社を、350万円で買った友人もいます。―60歳を超えて働き続けることは、もはやあたり前となりましたが、企業としてはシニア層が積み上げてきた経験をどのように活かしていくべきでしょうか。大塚 定年後は働き方も処遇も一律というのが一般的ですが、そうではなく、雇用形態も含めた多様な働き方の選択肢を用意してほし分の守備範囲を広げることです。特に大企業出身者が中小企業へ転職する際にネックとなるのが守備範囲の狭さです。自分の得意とする専門分野の両サイドにある異なる事業分野の業務を、準専門レベルまで引き上げる勉強や経験を積んでおくことをおすすめします。もう一つは自分の市場価値を知ること。それが分かればぼんやりとした不安も解消されますし、前向きな生き方ができるはずです。転職エージェントに聞けば、転職しないにしても自分の客観的な市場価値を教えてくれます。一律の働き方と処遇ではなく本人のやる気を引き出す選択肢が必要

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