エルダー2020年12月号
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エルダー592020.12 December ニュース ファイル 統計からみた我が国の高齢者総務省総務省は、敬老の日に合わせて、「統計からみた我が国の高齢者」をまとめた。国勢調査をもとにした人口推計によると、2020(令和2)年9月15日現在の総人口は、1億2586万人で、前年(1億2615万人)に比べ29万人減少した。一方、65歳以上の高齢者(以下「高齢者」)人口は3617万人で、前年(3587万人)に比べ30万人増加し、過去最多となっている。総人口に占める高齢者人口の割合は28・7%となり、前年(28・4%)に比べ0・3ポイント上昇して、過去最高。年齢階級別にみると、いわゆる「団塊の世代」(1947年〜1949年生まれ)を含む70歳以上人口は2791万人(総人口の22・2%)で、前年に比べ、78万人増(0・7ポイント上昇)、75歳以上人口は1871万人(同14・9%)で、前年に比べ24万人増(0・3ポイント上昇)、80歳以上人口は1160万人(同9・2%)で、36万人増(0・3ポイント上昇)となっている。2019年の高齢者の就業者数は、16年連続で前年に比べ増加して892万人(前年862万人)となり、過去最多。高齢者の就業率は、男性は34・1%(2018年は33・2%)、女性は17・8%(同17・4%)といずれも8年連続で前年に比べ上昇。年齢階級別(男女計)にみると、65〜69歳は48・4%(2018年は46・6%)、70歳以上は17・2%(同16・2%)となっている。15歳以上の就業者総数に占める高齢就業者の割合は13・3%(同12・9%)で、過去最高。調査・研究 2020年労働時間等実態調査経団連一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)は、「2020年労働時間等実態調査」の集計結果を発表した。調査は、労働時間の推移や年次有給休暇の取得率などの観点から企業の働き方改革の推進状況を把握することを目的に、2017年から毎年実施している。2020年は経団連および業種別・地方別経済団体の会員企業491社から回答を得た。調査結果によると、一般労働者の年間総実労働時間は、2017年が2040時間であったのに対し、2019年は2000時間と減少している。特に、2018年(2031時間)から2019年にかけて大幅に減少している結果となった。また、時間外労働時間(年間平均)についても、全体(2019年は184時間)・業種別(製造業は同180時間・非製造業は同189時間)ともに減少。特に、2018年から2019年にかけて大幅に減少しており、経団連では、働き方改革関連法の施行が一つの要因として考えられるとしている。次に、年次有給休暇の取得率をみると、全体の取得率は、2017年は65%、2018年は68%、2019年は71%と年々上昇している。特に、非製造業において上昇したことについて経団連では、働き方改革関連法における「年5日の年休取得義務」施行が一つの要因とみている。発行物 『男性労働者の育児休業の取得に積極的に取り組む企業の事例』ヒアリング調査結果を刊行JILPT独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)は、『JILPT資料シリーズ№232 男性労働者の育児休業の取得に積極的に取り組む企業の事例―ヒアリング調査―』を刊行した。女性が出産後も就業を継続でき、社会で活躍できるようにするためには、男性の育児・家事をうながし、育児・家事の負担が女性に偏っている状況を変えていくことが必要とされている。そこでJILPTでは、男性の育児休業の取得に積極的に取り組む企業13社に2019年9月〜11月にヒアリング調査を行い、その結果をまとめた。男性の育児休業取得を促進する主な目的として、多くの企業が「女性社員の活躍推進」や「ダイバーシティの推進」、「仕事と家庭の両立、ワーク・ライフ・バランス」を挙げている。しかし、制度やソフト的な部分には各社それぞれに工夫を凝らしており、本書には各社の取組みの詳細や、取組みによる効果として、育児休業取得率の向上以外にも、「仕事の分担の見直し、仕事の属人化の排除、業務の見える化・標準化」など仕事の進め方の変化や、「助け合う風土やお互い様の意識の醸成」などの変化、人材確保にあたってのPR効果を挙げる企業が多くみられることなどが記されている。報告書は左記のサイトからダウンロードが可能で、購入する際の価格は1400円(税別)。https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2020/documents/232.pdf

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