エルダー2020年12月号
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エルダー7特集シニア採用で会社にイノベーションをイノベーションをになうシニアが活躍中「イノベーション人材」と聞いて、シニアをイメージする方は少ないと思いますが、すでにイノベーションのにない手となっているシニアは数多くいます。中小企業は大企業に比べ、社内のノウハウやナレッジが少なく、シニアが外部からノウハウなどを持ち込むだけで劇的な変革が起き、新しいサービスやソリューションがすぐさま誕生することも珍しくありません。そうしたシニアはスーパースターのような特殊な人材ではなく普通の人物です。本人もそんな成果を確信していなかった場合さえあります。多くの方が思い描くイノベーション人材は、積極的に企画を出し、指揮を執り、社内に革新を生み出していく人物かもしれませんが、そのような人材は世代を問わず稀まれです。日本企業のイノベーションは個人主導ではなく、もっとチームとして、あるいは仕組みとして進めるものへと変わるべきかもしれません。高い技術と豊富な経験、そして積極性を持ったシニア人材は、すでに職場でイノベーションを生み出しています。当社でも70歳の社員がトップクラスの営業成績とともに、若い社員へ多くの気づきと影響を提供しています。むしろ、シニアが提供する影響の受け皿整備など、企業側がシニア活用についてのイノベーションを起こすことで、シニアだけでなく、性別や雇用形態に関係なく、だれもがイノベーションを起こせる環境が整うのではないでしょうか。シニア人材の特徴は変化しているイノベーション人材のとらえ方を変えれば、すでにイノベーションをになっているシニアの存在にも気づくことができるというお話をしましたが、同じようにシニア人材の特徴や魅力にも、変化が起きています。もちろん、シニア人材最大の魅力であり、外部労働市場における価値は、いまもなお高い技術と豊富な経験を持つ即戦力であることです。また、現代の若い人材と比べると、受けた教育の違いから、勤勉、礼儀正しい、我慢強いといった特徴も、それほど変わっていないかもしれません。しかしすでに、イメージと異なる傾向も見え始めています。シニア人材とイノベーション―外部労働市場におけるシニア人材の魅力とは―株式会社シニアジョブ 代表取締役 中島康やす恵よし

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