エルダー2021年1月号
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2021.12株式会社ノジマ 取締役 兼 執行役 人事総務部 部長田中義幸さん続き働いてもらっています。上限年齢は定めていませんでしたが、制度化するにあたって一応は定めておくことにしました。そこで、すでに78歳の社員が2人働いている実態があったので、「80歳まで」としたのです。法改正の内容を意識して行ったわけではありません。 その2人のうち、1人は先日誕生日を迎えたので、現在最高齢は79歳です。70歳以上は約20人、65歳以上でカウントすると50人以上の社員が勤務しています。今回の制度化で80歳という上限年齢を定めましたが、それ以降の継続雇用は、今後80歳に到達する社員が出てきた時点で、健康状態などを考慮し個別の事情に応じて柔軟に対応することになると思います。―定年後はどのような雇用形態になりますか。また、どのような仕事や役割をになっているのでしょうか。田中 雇用期間は原則として1年契約となり、それを更新する形で継続雇用をしています。―高年齢者雇用安定法の一部が改正され、2021年4月から70歳までの就業機会の確保措置が事業主の努力義務となります。そうしたなか、貴社では全社員を対象に、80歳まで働ける制度を導入されました。田中 2020年7月に、この制度の導入を報道発表しました。法改正に対応した措置との受け止め方が多かったのですが、新たに取組みを始めたのではなく、これまでやってきたことを、この機会に制度として明確化したという位置づけです。―改正法が求めている70歳を大きく超えて、80歳と打ち出したところにインパクトがありますね。以前から70歳を過ぎても継続雇用している実績をふまえ、今回あらためて就業規則に明記し、制度化したということですか。田中 はい。定年は10年ほど前から65歳にしていますが、本人が希望し、健康面などで問題がなければ、定年後も再雇用の形で、引き仕事の内容は、それまでの経験を活かせるように、基本的には定年前と変わりません。 組織の長としての役割は、みなさん50代を過ぎたころに後進に譲っている場合がほとんどで、その後は販売の専門職として働いていますから、定年への到達を契機に役職を降りるということはありません。―役職定年はないのですね。田中 年齢で一律に待遇を変えるルールはありません。それでも、ある程度の年齢になると、若い人にポストを譲るケースが多いのです。長い年月を経て根づいた当社の風土のようなものです。 組織をマネジメントする役割には、「部門リーダー」、「店長」、「エリア長」、「地区長」といったポストがあります。社員は入社後、販売スタッフとして店舗の第一線に立ちます。その後、マネジメントのコースに行く人や本部スタッフとして働く人もいますが、多くは販売の専門職として、商品の部門やジャンルを異動しながらキャリアを積んでいきます。販売系専門職の役職として、「エースコンサルタント」や「プロフェッショナルコンサルタント」があり、店長より高い処遇を受けている例も数多くあります。全社員が同じ等級80歳までの雇用を制度化する前から70歳以降の継続雇用の実績があった

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