エルダー2021年2月号
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2021.2242021.224株式会社カインズは、2019(令和元)年に設立30年を迎えた業界最大手のホームセンターチェーン。創業以来〝For the Customers〞を経営理念に「より良いものをより安く」を追求し、お客さま一人ひとりの自分らしい暮らしをサポートするため小売業やホームセンターの枠にとらわれない取組みを続けてきた。関東地方を中心に全国28都道府県下に225店舗を展開(2020年12月時点)。1991(平成3)年以降増収で推移し、業界一位の売上高を誇っている。同社は1959(昭和34)年に群馬県伊勢崎市で衣類専門店として創業した「いせや」を母体とする。「いせや」は事業の多角化で1978年に栃木県でホームセンター部門1号店をオープン。1989年「いせや」から分社・独立、株式会社カインズを設立した。母体の「いせや」は1996年に設立したショッピングセンターチェーン「ベイシア」(群馬県前橋市)に引き継がれ、「カインズ」とともに、コンビニエンスストアの「セーブオン」、グループ企業としては唯一上場しており急成長を遂げる作業服チェーンの「ワークマン」など、物販チェーン6社を中心に28社で流通企業グループ「ベイシアグループ」を構成している。ベイシアグループの強みは、「いせや」創業以来、吸収や合併を一切行わずに自社グループの力で着実に成長してきた点にある。グループ経営において、各社が創業以来の経営理念を貫き、強い一体感のもと共同で商品開発、出店、人材育成を行い、ロジスティクス、情報システムの各分野において連携して取り組んできた。2020年10月には総売上高が一兆円に到達している。高齢社員に対して働き方の選択肢を増やすカインズの社員数は約2万3千人。その雇用形態は「正社員」、「専任社員」、「パート社員」、「アルバイト社員」の四つに区分される。正社員が本社で採用され、本社と店舗を異動しながらキャリアを積むゼネラリストなのに対し、店舗運営の中心として活躍しているのが店舗で採用される専任社員やパート社員だ。特に専任社員は、さまざまな分野の商品を取り扱うホームセンターにあって、特定分野に特化したスペシャリストとして、店舗運営の中核をになっている。同社では2019年に、この専任社員の定年制を改定。60歳から65歳に定年を延長した。同時に、65歳以降は70歳まで働くことができるよ地域採用する各部門の専任担当者は貴重な存在70歳まで働ける再雇用制度で雇用を確保株式会社カインズ (埼玉県本庄市)2企業事例

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