エルダー2021年2月号
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2021.238事業者に求められていること2本ガイドラインで事業者に求められる事項は以下の通りです。(1) 経営トップによる方針表明および体制整備を行う事業者は、高齢者の安全と健康を確保するため、最初に、方針表明と安全衛生管理体制を構築し、担当者を決めます。(2) 事業場に潜む危険な芽を見つけ、それを摘む安全衛生管理体制を構築したら、事業場に潜む高齢者のリスクを洗い出し、リスク低減対策を講じます。(3)心身機能の低下を補うハード対策を行う快適な職場環境を整備するため、心身機能の低下を補うハード対策を行います。(4)心身機能の低下を補うソフト対策を行う快適な作業を行うために、作業内容の見直しなどのソフト対策に力を入れます。(5) 健康や体力の状況を把握する①健康状況を把握する事業場では次の対策が必要です。● 心身機能の維持、健康の保持・増進のため、運動、栄養、休養に関するアドバイスを受けられる環境を整備します。● 健康診断結果を通知し、その内容の理解促進に努めます。● 高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病に関する知識や予防について、指導・教育を行います。②体力の状況を把握する一人ひとりの体力の状況を把握するため、体力チェック(図表5)などを行います(先に示したロコチェック、フレイルチェックも該当)。(6)健康や体力の状況をふまえた対策をとる事業者は、一人ひとりの健康や体力の状況をふまえた対策を行います。① 個々の高齢者の健康や体力の状況をふまえた措置個々の高齢者(高齢者は個人差が大きい)の健康や体力の状況、脳・心臓疾患などの基礎疾患をふまえ、労働時間の短縮、深夜勤務の削減、出典: 住宅生産団体連合会・労働安全衛生総合研究所「平成18年 低層住宅建築工事 高年齢労働者のための安全ガイド」より図表5 体力チェックの例■方法 (体力テストは下記の2つを行う)■判定(1)平衡機能の測定(高所作業や足場の悪い場所での災害防止のため)(2)敏捷性の測定(危険遭遇時の災害防止のため)● どちらかの結果が年齢(65歳)平均以下について特に就業制限にある高所作業や重量物取扱作業は控える。● ただし、夜間作業、長時間労働、単独作業については結果に関係なく控える。1)閉眼片足立ちテスト結果  測定結果21 秒未満とする。 ※65歳平均21秒2)ジャンプステップテスト結果  各社60代の測定結果により65歳平均を求め、それ未満の回数とする。  ※公的データがないため<閉眼片足立ちテスト:スタート~ストップまでの時間を測定する> 「測定方法」 ◎ストップウォッチで測定下さい。<ジャンプステップテスト(J.S):ジャンプ回数を測定する> 「測定方法」 ①30cm角のマスを3×3個作る。 ② マスの中央に立ち、両足をそろえたまま10秒間に中央を基点に前後左右にジャンプした回数(着地で1回)を計る。 回数は2回とし長い方を記録する (軸足は変えても変えなくても結構です)。 ※転ばないように注意してください。 2回行って、良い方を記録します。 ※2回連続しないように注意してください。[年代別標準時間]年代目安10代40~90秒20代80~90秒30代55~90秒40代40~55秒年代目安50代25~40秒60代18~25秒1423768530cm65歳平均21秒 ◎ストップウォッチで測定下さい。腰から手が離れたらストップ動いたらストップ両足は触れない目を開けたらストップ両手は腰にあてる軸足は動かさない両目を閉じる足が着いたらストップ5cm程度

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