エルダー2021年2月号
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エルダー51特別企画先進企業における高齢者雇用のトレンドと今後コンテスト表彰企業の取組み(データから) 「高年齢者活躍企業コンテスト」直近5年間(2015~2019年)に表彰された63事例の取組み状況についてみてみましょう。48頁で述べた傾向に加え、年度ごとにみると次のような特徴がみえてきます。 まず、「定年・継続雇用」について、すべての企業が取り組んでいますが、これはコンテストの特性上、定年・継続雇用制度について何らかの取組みを行っていることが応募の前提となっていることが要因です。 また、取組み企業の割合が年々増加傾向にある項目としては、「勤務時間・日数(2015年度:83.3%→2019年度:100.0%)」、「健康管理・安全衛生(同:58.3%→同:100.0%)」、「評価・処遇(同:66.7%→同:84.6%)」、が代表的です。前者二つは、高齢社員が元気に働き続けるためには無理のない勤務時間の設定と無理をさせないための体調管理が必要になることから、必然的なものといえるかもしれません。また、日々の働きぶりを評価し、結果を処遇に反映することで、モチベーションの向上を図る企業も増えてきています。 一方で、「新規採用」、「意識啓発」は約10%~20%に留まっています。「新規採用」は、高齢者の豊富な経験などを即戦力に見込んで、他社を定年退職した人材を積極的に採用した取組みをカウントしています。また「意識啓発」は、キャリア研修などをさしていますが、年齢が上がるにつれ職場での役割が徐々に、あるいは急激に変わった場合の意識転換や意識づけを目的とした支援策です。これらは、現在でこそ取り組む企業は少ないものの、これからますます高齢化や人口減少が進むなかで、高齢者の一層の戦力化が期待されることを考えると、将来的には非常に重要な役割をになうことになるだろうと思われます(上地琳子)。0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%100%定年・継続雇用勤務時間・日数評価・処遇新規採用職場の風土づくり技能伝承新職場・職務の創出作業施設等の改善健康管理・安全衛生意識啓発能力開発78.6%78.6%83.3%83.3%84.6%84.6%75.0%75.0%75.0%75.0%64.3%64.3%66.7%66.7%7.7%7.7%8.3%8.3%16.7%16.7%14.3%14.3%8.3%8.3%50.0%50.0%33.3%33.3%50.0%50.0%33.3%33.3%53.8%53.8%33.3%33.3%41.7%41.7%28.6%28.6%41.7%41.7%46.2%46.2%58.3%58.3%83.3%83.3%57.1%57.1%66.7%66.7%61.5%61.5%50.0%50.0%58.3%58.3%85.7%85.7%58.3%58.3%91.7%91.7%75.0%75.0%71.4%71.4%58.3%58.3%23.1%23.1%25.0%25.0%8.3%8.3%21.4%21.4%16.7%16.7%84.6%84.6%91.7%91.7%75.0%75.0%64.3%64.3%75.0%75.0%2015年度2016年度2017年度2018年度2019年度出典:『エルダー』10、11月号(2015~2019年)より、上地作成図表2 年度ごとの傾向

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