エルダー2021年2月号
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エルダー53特別企画先進企業における高齢者雇用のトレンドと今後初は必要に迫られて始めた企業もありました。しかし、高齢社員へのさまざまな取組みにより、高齢社員にかぎらず社員全員に恩恵がありました。AIの導入企業では、社員全員の負担が軽くなる効果がありました。また、勤務時間を調整できる仕組みがあれば、高齢社員にかぎらず、子育て中の現役社員も働きやすくなります。きっかけは高齢者雇用でもほかの社員も働きやすくなる効果があります。このような企業は、優秀な社員が集まり、かつ労働意欲が高まるため、企業の競争力はさらに高まるでしょう。及川 高齢社員のための高齢者雇用ではなく、会社が成長するための高齢者雇用と考えることが大事ということですね。では、最後に読者のみなさまに一言いただけますか。内田 黒本では、高齢社員への支援策を掲載していますが、すべての社員にとって会社を魅力あるものにするヒントが多く詰まっています。チェックリストとしても使えますので、ぜひお役立てください。上地 支援策を実施する背景や効果など、さらに詳しく知りたい方は、当機構が運営する「65歳超雇用推進事例サイト」※をご覧いただくと、一層理解が深まると思います。及川 本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。※ jeed 65歳超 サイト検索 2021年4月から70歳までの雇用・就業機会の確保が企業の努力義務となります。年齢とともに衰えてくるものをカバーし、企業も65歳超の高齢者もWin-Winで働くための人事施策を考えることも必要でしょう。「65歳を超えて70歳まで働く!!」……、いや「70歳まで働ける??」の声も聞こえてきそうです。でも、この本を読めばその不安も払拭されることでしょう。 今回、当機構は内田教授に編さんいただき、高齢者雇用に関する取組み事例を数多く紹介した情報提供誌を発刊しました。本誌は「人事管理」、「職場の風土づくり」、「技能伝承」、「新職場・職務の創出」、「作業施設等の改善」、「健康管理・安全衛生」、「能力開発」の七つの章から構成され、各章ごとに取組み方や得られる効果を内田教授がコンパクトに解説。実際に取り組んだ企業の事例を箇条書きにまとめ、わかりやすく紹介しています。掲載している先進事例は、比較的簡単ですぐに実行できるものが多く、貴社の課題解決に役立ちます。(雇用推進・研究部研究開発課 菅すが弥や寿す子こ、及川つかさ) すぐ実行できる「こんな方法があったのか!」目からウロコのヒント満載生涯現役社会の実現に向けた競争力を高めるための高齢者雇用―パフォーマンス向上のためのポイント集―高年齢者活躍企業コンテストとは 当機構では厚生労働省と共催で、高齢者雇用について企業などが行った創意工夫の取組み事例を全国から募集する「高年齢者活躍企業コンテスト」を実施しています。 1986(昭和61)年から実施している当コンテストは、高年齢者雇用安定法の改正や当時の高齢者雇用上の課題に応じて、いままでに「職務再設計コンテスト」、「職場改善コンテスト」、「高年齢者雇用開発コンテスト」と名称を変え、通算36回目となる2021(令和3)年度は、「高年齢者活躍企業コンテスト」として現在応募企業を募集中です。jeed 競争力検索コンテスト応募についての詳細は54・55頁をご覧ください。

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