エルダー2021年2月号
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2021.256※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「本体価格」(消費税を含まない価格)を表示します島しま津ず明あき人ひと 編著/誠せい信しん書房/1900円+税佐藤博ひろ樹き、武たけ石いし恵美子 責任編集/武石恵美子、高崎美み佐さ 著/中央経済社/2500円+税職場のポジティブメンタルヘルス3働き方改革に活かす17のヒントシリーズ ダイバーシティ経営女性のキャリア支援本誌2020(令和2)年12月号のこのコーナーで紹介した「シリーズ ダイバーシティ経営」の第2弾は、ダイバーシティ経営の枠組みのなかで女性のキャリア形成を取り上げている。周知の通り、政府の女性活躍推進政策のもとで、女性の力を発揮してもらえるような人事施策を進めている企業が増えている。本書は、このような現状をふまえながら、ジェンダー・ダイバーシティを起点に、ダイバーシティ経営の現状と課題を明らかにすることを刊行の目的に掲げている。具体的には、「女性は本当に能力を発揮して働くことが可能になっているのか」、「なぜ女性のキャリア支援は重要なのか」、「女性のキャリアの展開はどこを目ざすのか」といった観点に立ち、企業の人事労務担当者や実務家に向けて、検討に必要な材料を提示。各章では「働く女性の現状と政策」、「採用と就職」、「初期キャリアにおける人材育成」、「出産・育児期のキャリア形成」、「女性の昇進」、「女性一般職のキャリア形成」を取り上げている。日本のジェンダー格差は、先進国のなかで最も大きいという。世界標準に近づくための取組みを進める際に役立つ良書である。「ポジティブメンタルヘルス」とは、働く人の心身の健康度を高め、生産性の向上につなげることを目ざす心理学的な概念。従来型のメンタルヘルスとは異なり、個人の自己肯定感を重視している点が特徴とされる。働き方改革にともない、こうした考え方が注目されてきている。本書は、東京大学大学院精神保健学分野と日本生産性本部が連携して設立した「健康いきいき職場づくりフォーラム」の活動の一環として、ポジティブメンタルヘルスに関わる理論と実践を広く知らせるために刊行するシリーズの第3弾。働く人の健康を研究している各分野の専門家が研究成果とその実践を紹介している。第Ⅰ部「組織マネジメントの支援」では、組織をマネジメントするうえで必要なポジティブメンタルヘルスにかかわる理論や研究成果を、続く第Ⅱ部「セルフマネジメントの支援」では、従業員が自らの仕事をマネジメントするうえで必要な知識を紹介。そして第Ⅲ部「実践! 休み方改革」では、健康で活き活きと働くために重要なオフの時間の過ごし方を取り上げている。高齢労働者の就労意識も含め、活き活きとした職場づくりに関心がある人事労務担当者にとって有益なヒントが満載。活き活きとした職場づくりに有益なヒントが満載ジェンダー・ダイバーシティをめぐる現状と課題を整理

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