エルダー2021年2月号
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エルダー57大野 智さとし 著/大修館書店/1600円+税一般社団法人日本テレワーク協会監修/日経BP日本経済新聞出版本部/1800円+税三浦理まさ代よ、永山久夫監修/池田書店/1200円+税生涯現役で行動する身体をつくるには、健康や若々しさの保持に貢献してくれる食材を選んで食べたいもの。疲労をやわらげたり、骨を丈夫にしてくれたりする食事のメニューや食材のよさを逃さない調理方法も知っておきたい。そんな食生活の実践をサポートしてくれるのが本書だ。野菜・肉・魚・穀物などの食材について、食材の持つ主な栄養素とその効果、調理のコツなどを食材ごとに写真と簡潔な文章で説明し、栄養素の効果がより期待できる複数の食材の食べあわせの例も紹介している。女子栄養大学名誉教授・三浦理代氏と本誌「日本史にみる長寿食」(29頁)の連載でおなじみの食文化史研究家・永山久夫氏が監修し、栄養素の知識から、「免疫力を増強させる食材」、「疲労をやわらげる食材」、「筋肉や骨の衰えを防ぐ食材」など毎日の献立づくりにも役立つ情報がまとめられている。食材別の索引と症状別の索引があるので、事典のように活用することもできる。免疫力アップには、「豚肉+キャベツ」の組合せがよいとのこと。豚肉は細胞をつくるたんぱく質を多く含み、キャベツは細胞を強くするビタミンCが多いからだ。本書を手元に置いておくと、自然と食生活が改善されそうである。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けて、多くの企業にテレワークが急速に浸透した。テレワークを始めると、満員電車に乗ることも会社へ出勤する必要もなく、体力や時間を節約できるなどのメリットがある反面、セキュリティ対策の不安や「オン・オフ」の切替えがむずかしいといったデメリットもあげられている。新しい生活様式を実践するためにテレワークは不可欠とされるので、環境の整備や課題を整理して適切な運用方法を構築したい。本書は、その際に参考になる一冊である。とくに中堅・中小企業を対象にした内容で、課題や不安を解消してテレワークを定着させ、生産性を上げるためのノウハウを提示している。コロナ禍におけるテレワークの現状から、見えてきた課題、テレワーク導入のステップ(導入済み企業はおさらいが可能)、人事部門・労務部門のテレワーク推進ステップ、テレワークのツールやセキュリティ対策の考え方、課題解消のためのポイントなど情報満載だ。テレワークを成功させた企業や自治体の取組み事例もあり、テレワーク導入後の人事評価の方法や社内コミュニケーションのとり方の実際なども紹介されている。テレビやインターネットではあらゆる健康情報がはん濫しており、なかには科学的根拠のないものやデマも飛び交っている。健康寿命を延ばして生涯現役を実践するには、本当に役立つ情報を見極める目を養うことが重要だ。健康や医療に関する情報を入手し、理解し、評価して活用するための能力を「ヘルスリテラシー」と言う。本書は、ヘルスリテラシーを身につけて、生活の質の維持・向上を図ることを目的に、正確な健康・医療情報の見極め方、入手方法、情報を入手した後の意思決定のコツやポイントをわかりやすくまとめている。たとえば、「科学的事実を伝える情報でも、提示のされ方によって、人は心理効果やそのときの感情から情報をゆがんだかたちで認知してしまう」ことがある。情報に接する際は、人はだまされやすいことを自覚することが必要だ。また、「正確な情報を入手した後は、どう決断して行動するかが重要」になる。ある人に効く治療が自分にも効くとは限らないため、判断に迷うことがある。その際の意思決定のコツを、医療現場で実践されている方法を参考にして解説している。身近な健康情報にも、病気になったときの深刻な場面にも役立つ一冊だ。からだによく効く食材&食べあわせ手帖 改訂版中堅・中小企業のためのテレワーク成功の秘訣健康・医療情報の見極め方・向き合い方健康・医療に関わる賢い選択のために知っておきたいコツ教えます身近な食べものの特色を把握して、食べることで健康増進!テレワークを適切に運用するための最新情報と先進事例を紹介「ヘルスリテラシー」を身につけて健康寿命を延ばそう

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