エルダー2021年3月号
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特別企画エルダー27「産業別高齢者雇用推進ガイドライン」のご紹介一般社団法人マンション管理業協会は、高齢者を含めた雇用の実態を把握するために、アンケート調査ならびにヒアリング調査を実施した。その結果、今後の従業員の不足感が現場従業員(管理員・清掃員)だけでなく、技術担当者や営業担当者、事務管理業務の担当者などにも広がっていることがわかった。また、高齢者雇用の推進だけでは人材不足を解消することがむずかしく、高齢者を含め多様な人材を確保していくことが喫緊の課題であることが明らかになったとしている。同ガイドラインは、マンション管理業界における高齢者を含む多様な人材の活躍のあり方を検討して取りまとめたものである。 「第1章 マンション管理業を取り巻く状況」では、はじめにマンション管理業の主な業務内容・職種を「事務管理業務」、「管理員業務」、「清掃業務」、「建物・設備管理業務」の四つに整理し、次にマンション管理業における高齢者をはじめとする多様な人材のさらなる活躍が求められている背景、そして業界内の従業員の過不足の状況などを整理している。「第2章 マンション管理業における多様な人材の活躍に向けた視点」では、マンション管理業において多様な人材がさらに活躍していくための三つのポイントとして、第一に、マンション管理業全体として急務になっている人材確保の方針をまとめている。第二に、受託マンションの現場に勤務する管理員・清掃員などと、本社・支社・営業所に勤務する従業員の人材確保と定着に向けた取組み方策は、別々に取り組むことが有効と示し、考えられるポイントを整理している。第三に、地域や各社の取組みの違いにより、外部環境や人材活用の方法が変わることへの留意を求めている。人手不足が深刻化するマンション管理会社各社においては、従来から高齢者が管理業務の主要なにない手であるが、さらなる活躍を推進するとともに、女性や氷河期世代、外国人などの多様な人材の確保・定着を図ることをうながしている。「第3章 マンション管理業における多様な人材の活躍に向けた取組方策」では、アンケート・ヒアリング調査の結果をもとに、「採用活動の工夫の仕方」、「業務のノウハウを形式知化」、「勤務条件・業務内容・配置の見直し」、「できるだけ長く働き続けるための雇用の仕組み」など第2章で示したポイントについて解説。先進的な取組みを実施するマンション管理会社の「各社の取組例」、現在活躍している高齢者の「高齢従業員からの声」などを織り交ぜて紹介している。「第4章 参考情報」では、マンション管理業における高齢者雇用の現状をアンケート調査の結果から導き出すほか、65歳超雇用推進助成金をはじめ、特定求職者雇用開発助成金など雇用関係助成金に関する制度の概要、また、よりよい人材の確保に向けた求人方法に関する参考情報を掲載している。一般社団法人 マンション管理業協会4マンション管理業高齢者活躍に向けたガイドライン一般社団法人 マンション管理業協会連絡先: 東京都港区虎ノ門1―13―3 虎ノ門東洋共同ビル2階TEL:03―3500―2721FAX:03―3500―2722HP:http://www.kanrikyo.or.jp/

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