エルダー2021年3月号
30/68

2021.328新型コロナウイルス感染症の流行は、葬儀業にかかわる人材が、社会に不可欠な「エッセンシャルワーカー(人々が生活するうえで欠かせない業務に従事する労働者)」であることを改めて確認する機会となった。中長期的に見れば、働き手が不足するなかで、人材の確保は事業の継続・発展を左右する経営課題である。同ガイドラインは、「60歳以降も働きたい人たちについて、働くことができる環境を提供する可能性を追求し、企業経営の面からもメリットを追求する」ことを意識した内容で構成。各社の経営者や人事担当者が手引きとして利用可能なように、図表を多く用いて、業界内で実際に取り組んでいる事例や工夫などを豊富に紹介している。本編の前に「検索ガイド」が設けられており、「葬儀業で高齢者を雇うことのメリットを知りたい」、「葬儀業で活躍している高齢者はどんな人たちなのかを知りたい」といった各企業が置かれた状況や抱える悩みから索引が可能となっている。「はじめに」では、本事業の背景・目的のほか、本ガイドラインの構成、使い方を紹介している。「Ⅰ章 葬儀業で高齢者を雇うことの意義・メリット」では、同業界で高齢者を雇うことの意義・メリットについて六つのポイントにまとめて示している。前半三つは、従来から指摘されてきた高齢者活用の意義・メリット、後半三つは、これからの時代に必要となる意義・メリットとなっている。葬儀業界においてこれらの意義・メリットを享受できるよう取り組むことをうながしている。「Ⅱ章 葬儀業を取り巻く経済社会環境」では、高齢者の活用が求められる背景を理解できるよう、高齢化進展のデータ、将来予測など、統計データをもとに葬儀業に与える影響について解説するとともに、働き方改革関連法が葬儀業に及ぼす影響を予測している。「Ⅲ章 葬儀業における高齢者活用の方策」では、業界を取り巻く社会背景と、現状の高齢者活用の実態をふまえ、今後は一層の高齢者の活用を図る必要があると提言。アンケートやヒアリング調査結果で把握した事業者および従業員の声を用いて、高齢者を活用するためのヒントを紹介していく。葬儀業において高齢者が活躍しやすい具体的な業務を取り上げて高齢者活用のヒントを示すほか、高齢者の活躍を経営パフォーマンスにつなげるための企業の取組みとして、各社の好事例を紹介。今後の葬儀業における発展的な高齢者活用に向けて、新たに業界として推進していくべきポイントを整理している。「資料編」では、アンケート調査結果から、葬儀業における高齢者雇用に関する制度の導入状況や高齢者活用に関する実態を抜粋しているほか、高齢者雇用にかかわる法制度・支援に関する情報、求人方法に関する参考情報などを掲載している。全日本葬祭業協同組合連合会5葬儀業における高齢者活用推進のためのガイドライン 〜高齢者の活用による業務スタイルの変化への対応〜全日本葬祭業協同組合連合会連絡先:東京都港区港南2―4―12 港南YKビル4階TEL:03―5769―8701FAX:03―5769―8702HP:https://www.zensoren.or.jp/

元のページ  ../index.html#30

このブックを見る