エルダー2021年3月号
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エルダー33提案されました。働き方はほかの従業員と同じで、週5日フルタイムで出勤しています。前田さんは、「見本に頼らず、自分の頭で考えて作業をする」ことをモットーに、創意工夫を重ねながら日々の仕事に臨んでいます。「新しいことを考えると老けないですよ。自ら想像して考えるということを、若い人に強くすすめたいですね。この仕事が好きなので、一度も嫌だと思ったことはありません。業務以外の研究も可能で、自由にさせてもらっています。死ぬ前日までここで働きたいです」と笑顔で話します。長なが塚つか秀昭さん(62歳)は、長年、生産設備メーカーで液晶パネルを組み立てる機械の設計に従事。60歳のときに、ハローワークを通じて日生工業に入社しました。仕上げグループに所属し、エンジンのシリンダーの仕上げを担当しています。「1台のシリンダーは私にとって100個のうちの一つでも、お客さまにとってはかけがえのない一つだと思って、一つひとつ大切に仕事をすることを心がけています」やりがいは、手仕上げの作業。やればやるほど、自分が上達していくことがわかるそうです。「それが日々積み重なっていることが嬉しい」と、静かに語る長塚さん。納期を急せかされず、期日が厳しいときには営業担当者もフォローしてくれるとのことで、だからこそしっかりやろうという気持ちがまた湧いてくるそうです。「この会社は人を大切にしてくれる会社です。動けなくなるまで働きたい」と締めくくりました。柿かき境さかい泰ひろしさん(64歳)は、フルタイムのパートタイマーとして入社し、4カ月目を迎えたところです。会社を見学してみたところ、工場がきれいで、環境がよいと感じたことが入社の決め手だったそう。仕上げグループに所属し、完成した製品をオイルで洗浄、梱包するまでを担当しています。手がけている製品は、重いものは20㎏もあり、これだけの重量物を傷つけずに取り扱うのは神経を使うのだといいます。日生工業に入社する前は、部品加工一筋のエキスパート。「精密機械を取り扱うのはたいへんな仕事。いまの仕事も楽しいけれど、機会があればかつての経験を活かして、別の仕事にもチャレンジしてみたい」と話します。また、「人間関係がよい会社」だと感じているそうで、さらにチームワークを高めるために、山登りやバーベキューなど、レクリエーションを提案してみたいと話してくれました。最後に加賀常務は、「今後も従業員の自由を尊重し、定年後も長く働きたいと思ってもらえる会社にしていきたい」と抱負を語りました。 (取材・西村玲)注意深く完成品を洗浄する柿境泰さん丁てい寧ねいに手で仕上げ作業をする長塚秀昭さん

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