エルダー2021年3月号
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エルダー35①照度の確保③すべり防止対策④墜落制止用器具等の着用暗い場所で視力が著しく低下(低照度下視力)する高齢者には、職場の照度の確保が重要です。a 床材小売業などでは、新店舗の設計で光沢があり見栄えがよい床材が採用されがちですが、そうした床材はすべりやすく、転倒災害が多発している事例が見受けられます。対策には、光沢をおさえたすべりにくい床材の採用が求められます。b 防滑靴すべりによる転倒災害防止には、耐滑性にすぐれた靴の着用が有効です。事業者が労働者にそのような靴を支給し、着用を徹底することが求められます。墜落防護措置のない高所作業では、事業者は、労働者に墜落制止用器具を使用することを指示し、労働者に使用を義務づけます。②階段対策など⑤安全標識などの掲示高齢者は、バランス感覚の低下、筋力の低下、とっさにうまく動けないことなどにより、階段から転落しやすく、ちょっとした段差につまずきやすくなります。階段には手すりをつけ、たとえバランスを崩しても、それにつかまることにより転落を防止し、わずかな段差も解消するなど、つまずくものを除去する対策が効果的です。c 床の水・油の除去水に濡れた床、油のこぼれた床をそのままにせず、すぐにそれらをふき取ることが重要です。また、機械清掃ではどうしてもふき残し箇所が出てきます。このため、機械清掃時にふき残しがないかチェックし、見つけたらすぐにモップなどで拭き取るようにします。工学的対策などリスク低減効果の高い対策を講じることがむずかしい危険箇所については、安全標識、トラテープなどを貼付し注意喚起を行います。 ハード対策のポイント高齢社員のための安全職場づくり―エイジフレンドリーな職場をつくる―

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