エルダー2021年3月号
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エルダー3の流出防止に備えるための施策でもあります。また、現在の社員数約5千人のうち、ポストに就いている人は約1100人いますが、今後これを若い世代だけで補っていくのは困難になるため、60歳以降も、やる気のある人にはポストを継続していただかないと、事業継続がむずかしくなるという課題もありました。会社としては、60歳以降もモチベーションを保ったまま、ペースを落とさずに貢献してほしいわけです。そのためには、定年後再雇用ではなく、定年を引き上げることが望ましい。これが定年延長にふみ切った理由です。―定年延長部分の待遇など、制度内容について教えてください。羽田当社は、「能力グレード」と「ポストグレード」の二つのグレード制(等級制度)を採用しています。定年延長者は、60歳になった年度末時点の能力グレードを引き続き継承しますが、ポストグレードは、原則ポストオフとし、後進に道を譲ることになります。しかしながら、後任に適材がいない、余人をもって代えがたい人材など、会社指定により定年延長後も引き続きポスト職を継続、またはいったんポストを外れた後に再度ポストに就くことも可能としています。定年延長後の給与は、60歳になった年度末時点の基本給の70%とし、その後毎年5%ずつ減額となりますが、賞与の算定方式は変わりません。以前の再雇用制度に比べて、報酬水準はほぼ倍増となりました。これに加えて、ポストを継続する場合には、ポストグレードに応じた給与が加算されます。なお、定年延長にともなう60歳以上の報酬水準の引上げとあわせて、再雇用者の報酬も同じ水準まで引き上げました。これは、同一労働同一賃金という時代の要請に応えるためです。―一方で、60歳定年を前提にライフプランを描いている方もいるはずですね。その場合に、退職が先に延びるのは、本人にとって誤を超えてもペースを落とさずに、社内で引き続き活躍できる仕組みを整備することは、企業にとって喫緊の課題です。当社では、60歳到達者は、2021年度以降毎年100人規模となり、2024年度には単年度で200人近くになります。直近の再雇用率である8割程度を前提に試算すると、61〜65歳の人員は10年後には700人弱、15年後には800人を超える人数まで増加していきます。定年延長は、このような人員構成の変化を見すえ、労働力不足や優秀な人材定年延長での報酬水準は再雇用時に比べ倍増再雇用者の報酬も同じ水準まで引上げ

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