エルダー2021年4月号
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2021.422している事業所の場合は、健康保険組合、当該基金にも同様の届出が必要です。2013(平成25)年4月から、対象を年金を受け取る権利のある者にかぎらず、「60歳以上の者」に拡大しました。  法人の役員などが対象の場合の添付書類は、「役員規定、取締役会の議事録などの役員を退任したことがわかる書類および退任後継続して嘱託社員として再雇用されたことがわかる雇用契約書」または「事業主の証明」になります。フルタイムで働いている再雇用の高齢従業員が、家庭の事情などから短日・短時間勤務への変更を希望しています。短日・短時間勤務に変更後も、厚生年金には加入できるのですか?短日・短時間勤務への変更後も厚生年金に加入できるようにするためには、社会保険の被保険者資格を継続するための要件を満たす必要があります。Q2A1 社会保険の被保険者資格社会保険を継続するためには、図表1の被保険者資格を満たす必要があります。労働時間や労働日数により、社会保険の被保険者資格要件を満たさない可能性もあるため、注意が必要です。※特定適用事業所……適用事業所で使用される厚生年金保険の被保険者の総数が、直近1年のうち6カ月以上500人を超える場合に特定適用事業所に該当します。なお、2020(令和2)年5月に成立した年金制度改正法により、今後、短時間労働者を適用対象とすべき事業所の企業規模要件について、段階的に引き下げることが予定されています(現行500人超→2022年10月100人超→2024年10月50人超)。2 変更にともない必要な手続き社会保険の被保険者資格が継続するケースでは、短時間勤務への変更により、所定労働時間ならびに賃金(固定的賃金または給与体系)の変更も生じるケースでは、社会保険上、「随時改定」の対象となりますので、注意が必要です(図表2)。なお、厚生年金保険に加入できない場合は、資格喪失の手続きが必要となります。業務中の事故により障害が残った従業員が定年を迎えます。当該従業員は障害補償年金を受給しているため、定年退職後に受け取れる年金には調整が入ると聞きました。どのような調整が行われるのですか?Q3図表2 「随時改定」の対象出典:筆者作成(1)昇給や降給などの固定的賃金の変動または賃金(給与)体系の変更(2)変動月以後継続する3カ月とも支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上(3)変動月から3カ月の報酬の平均月額と現在の標準報酬月額に2等級以上の差がある図表1 被保険者資格要件出典:筆者作成(1)適用事業所に常時使用される70歳未満(健康保険は75歳未満)(2)同じ事業所で同様の業務に従事する一般社員の所定労働時間および所定労働日数を基準に判断し、次の(ア)および(イ)を満たす場合は被保険者となる。 (ア)労働時間:1週の所定労働時間が一般社員の4分の3以上 (イ)労働日数:1月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上(3)上記(2)が一般社員の4分の3未満であっても、以下の要件を満たす場合 ・厚生年金保険の被保険者数が501人以上の法人(※特定適用事業所)、または500人以下で社会保険に加入することについて労使合意がなされている法人で働いていること ・週の所定労働時間が20時間以上あること ・雇用期間が1年以上見込まれること ・賃金の月額が8.8万円以上あること ・学生でないこと

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