エルダー2021年4月号
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2021.432はじめに1これまで、第2回、第3回では、2020(令和2)年3月に厚生労働省が発表した「エイジフレンドリーガイドライン」の概要を紹介してきましたが、今回からは、職場における高齢者の労働災害の実態と効果的な対策を詳しくみていきます。まず今回は、発生が最も多い転倒災害を取り上げ、転倒災害の発生状況、転倒災害の特徴などを紹介するとともに、軽作業での転倒災害が目立つ、小売業におけるさまざまな転倒災害の事例、転倒災害の原因と対策などを紹介します。転倒災害の発生状況2全産業において、災害の種類別(災害分類上、事故の型別という)に休業4日以上死傷災害をみると、転倒災害が23・9%と最も多くを占めています(図表1)。転倒災害の特徴3転倒災害には、以下に示す4つの特徴があります。特徴1 高齢者は転倒災害リスクが高い高齢者ほど転倒災害のリスクが増加し、55歳以上では55歳未満と比較しリスクが約3倍に増加します(厚生労働省リーフレットより)。特徴2 50代・60代の女性の発生率が高い転倒災害の男女別年齢別の発生割合をみると、50代・60代の女性の発生割合が高くなって※ 前回までの内容は、ホームページでご覧になれます。エルダー 高齢社員のための安全職場づくり検索 生涯現役時代を迎え、60歳、65歳を超えて、より長く活躍してもらうためには、企業が職場における安心・安全を確保し、高齢社員が働きやすい職場環境を整えることが欠かせません。本連載では、高齢者の特性を考慮した〝エイジフレンドリー〞な職場の実現方法について、職場の安全管理に詳しい高木元也先生が解説します。労働安全衛生総合研究所 安全研究領域長 高木 元也―エイジフレンドリーな職場をつくる―高齢社員のための安全職場づくり高齢者の労働災害防止対策―転倒災害防止その1―第4回

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