エルダー2021年4月号
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エルダー35転倒災害の原因と対策5さまざまな転倒災害の事例をみてきましたが、厚生労働省は、転倒災害防止施策として、2017(平成29)年から「STOP! 転倒災害プロジェクト」を推進しています。その施策に基づき、転倒災害の原因と対策を紹介します。■転倒災害の主な原因転倒災害の主なタイプには、「滑り」、「つまずき」、「ふみ外し(階段など)」の3つがあり、それぞれの発生原因を分析し対策を図ることが重要です。■転倒災害防止対策のポイント転倒災害防止対策のポイントを以下に示します。転倒災害を防止することにより、安心して作業が行えるようになり作業効率の向上につながります。(1)危険源の除去・ 床面の凹凸、段差の解消・ 滑りにくい床材の採用(2)整理・整頓・清掃・清潔・ 歩行場所に物を放置しない・ 床面の汚れ(水、油、粉など)を取り除く(3)転倒しにくい作業方法・ 時間に余裕を持って行動・ 滑りやすい場所では小さな歩幅で歩行・ 足元が見えにくい状態で作業しない(4)その他・ 移動や作業に適した靴の着用・ 職場の危険マップの作成による危険情報の共有・ 転倒危険場所にステッカーなどで注意喚起■転倒災害防止のためのチェックシート転倒災害の防止には、図表5のようなチェックシートを活用し、職場の転倒の危険などを見つけることが必要です。■転倒危険箇所の見える化職場の転倒の危険をみつけたら、その場所に、ステッカーなど(図表6)※を掲示し、転倒の危険の見える化を図ることも有効です。※  厚生労働省ウェブサイト「STOP! 転倒災害」(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/information/tentou1501.html)より「転倒危険場所の見える化ステッカー」がダウンロードできます出典:厚生労働省ウェブサイト「STOP! 転倒災害」図表6 転倒危険場所の見える化ステッカー出典:厚生労働省ウェブサイト「STOP! 転倒災害」図表5 転倒災害防止のためのチェックシートチェック項目1通路、階段、出口に物を放置していませんか2床の水たまりや氷、油、粉類などは放置せず、その都度取り除いていますか3通路や階段を安全に移動できるように十分な明るさ(照度)が確保されていますか4靴は、すべりにくくちょうど良いサイズのものを選んでいますか5転倒しやすい場所の危険マップを作成し、周知していますか6段差のある箇所や滑りやすい場所などに、注意を促す標識をつけていますか7ポケットに手を入れたまま歩くことを禁止していますか8ストレッチや転倒予防のための運動を取り入れていますか9転倒を予防するための教育を行っていますか高齢社員のための安全職場づくり―エイジフレンドリーな職場をつくる―

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