エルダー2021年4月号
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て同様の整理がなされたうえで、使用者の明示または黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間にあたることを前提に、以下のような類型については、労働時間に該当すると整理されています。① 使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務づけられた所定の服装への着替えなど)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃など)を事業場内において行った時間② 使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機している時間(いわゆる「手待ち時間」)③ 参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示に労働時間について1以前にも、労働時間に関しては触れましたが※1、労働基準法における労働時間とは、「使用者の指揮命令下に置かれている時間」(最高裁平成12年3月9日判決、三菱重工長崎造船所事件)と定義されています。この判例では、労働時間であるか否かを判断するにあたっては、使用者と労働者の契約や就業規則などの主観的な関係で定めるのではなく、労働実態をふまえて客観的に定まるものという趣旨も含めて、指揮命令下に置かれていたか否かを判断するものとされています。行政解釈においても、労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間であるとし※1 本誌2021年2月号(第33回 Q2 ノー残業デー導入時の留意点)勉強会への参加に対する義務づけの程度に応じて、労働時間となるか否かが左右されます。人事考課上の考慮事項としていたり、不利益な懲戒処分の対象となり得る場合などには、労働時間となる可能性が高いでしょう。A勉強会や研修は労働時間として扱われるのか教えてほしい当社では、就業時間の終了後に勉強会を開催し、安全衛生に関する知識を共有したり、業務に必要な研修などを行っています。従業員から、勉強会に参加している時間は労働時間であるから残業代を支払うよう求められたのですが、支払う必要があるのでしょうか。Q1第35回 勉強会の労働時間の該当性、高齢者への安全配慮義務弁護士法人ALG&Associates 執行役員・弁護士 家永 勲 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は変化するうえ、ときには重要な判例も出されるため、日々情報収集することは欠かせません。本連載では、こうした法改正や重要判例の理解をはじめ、人事労務担当者に知ってもらいたい労働法などを、Q&A形式で解説します。2021.436知っておきたい労働法 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制はA 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制はA& 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は&Q

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