エルダー2021年4月号
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エルダー63業能力開発協会の技能検定試験の機械検査の主席検定員も務める。「機械検査技能士の輩出にたずさわれることに喜びとやりがいを感じています。ミツトヨ計測学院の講座では、参加者のみなさんに書いていただいたアンケートを家に持ち帰り、﹃ためになる講座で、さっそく職場に戻り実践します﹄といった感想を、晩酌をしながら読むのが至福のひとときです」山納さん自身、普通科高校出身だったこともあり、知識不足で一時は転職を考えるほど悩んだり、技能検定試験に落ちたこともある。しかし、その後心機一転して努力し、1級技能士や職業訓練指導員免許を取得した。苦労した経験のある山納さんの指導は、多くの後進にとって励みになっているのではないだろうか。株式会社ミツトヨ宇都宮事業所TEL:028(656)1111(代表)https://www.mitutoyo.co.jp/(撮影・福田栄夫/取材・増田忠英)社内外の多くの後進に検査技能を伝承現在、山納さんのもとには、評価を必要とする部品や金型が持ち込まれるほか、工場内のさまざまな部門から測定に関する相談が寄せられ、測定方法を教えることも多い。工場内では「測定で困ったことがあったら山納さんに聞け」が合言葉になっているようだ。「私にとってはみな、お客さまと同じなので﹃忙しいからダメ﹄とはいいません。測定に関する知識や技能を、余すことなく多くの人に伝承したいと思っています」後進の育成にも精力的に取り組んでいる。入社2年目の若手社員に研修を行う「ミツトヨ技能開発センター」では、機械検査作業・測定実技の指導員を14年間にわたり務めてきた。さらに、企業の計測担当者の養成をになう「ミツトヨ計測学院」の講師や、栃木県職山納さんが所属する品質管理課品質管理係のみなさん。各種の測定方法に精通し、主管製品の検査を一通り経験している山納さんは、頼れる存在だ技能検定の一つ、「三針法によるねじプラグゲージの有効径測定」を実演。1/1000mm単位まで正確に測定するには、対象物や工具の清掃も欠かせない左:金型の品質を顕微鏡で検査する方法を指導。課内だけでなく他部門の社員に測定方法を教えることも多い/右:企業内職業訓練認定校「ミツトヨ技能開発センター」の卒業試験にあたる「技能照査試験」で寸法測定を検定(写真は2016年)(提供:株式会社ミツトヨ)宇都宮事業所ではノギス、ハイトゲージ、三次元測定機などを生産する

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