エルダー2021年5月号
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エルダー43者をよけようとして転倒、自転車が段差に乗り上げ転倒、雨で濡れた路面に自転車が滑って転倒したものなどが見受けられます。◆歩行者をよけようとして【事例】訪問介護先に自転車で移動中に歩行者をよけようとしたところ、ガソリンスタンドと歩道の間の側溝にタイヤがはまり、右側に転倒して、右大腿骨頚部を骨折した。◆自転車が段差に乗り上げ【事例】訪問看護業務で移動中、自転車で車道から歩道へ上がる際、歩道の段差に乗り上げ、転倒し負傷した。◆自転車が濡れた路面で滑り【事例】信号が青になり、ペダルを2〜3回漕いだところ大雨のためタイヤが滑り、左の方に倒れたため左足をついたが、支えきれず倒れ骨折した。 (6)介助中の転倒介助時の転倒は、介助者を支えようとして転倒したり、介助者に押されて転倒したりするものが見受けられます。◆支えようとして【事例】玄関で利用者を誘導中に、利用者が倒れそうになった。支えようとしたが、一緒に床に倒れた。その際、右足を痛めた。◆押されて【事例】施設の玄関前で、帰りの送迎車に利用者を誘導している際に、利用者に後ろから背中を押されて、2段程の段差から転倒した。 (7)送迎車内で転倒送迎車の中でも転倒災害が数多く起こっています。多くは、車内にある車椅子ストッパー、操作レバーなどの突起物につまずき転倒しています。◆車椅子ストッパー【事例】デイサービス利用者用送迎車の到着後、車椅子昇降作業中、昇降機の後退防止用ストッパーにつまずき転倒。その際、左手を地面につき、手首にひびが入り負傷した。◆操作レバー【事例】荷物を持ってリフトから降りるとき、右足がレバーに引っかかり転倒。右膝を地面につき、次に両手、特に左手を強くついた。 (8)その他そのほかには、小走りして転倒するもの、足がもつれて転倒するものなどが数多く見受けられます。これらは、転倒の原因となる物理的な要因(段差、濡れなど)がなくても発生しています。対策は本人の転倒災害防止意識を高め、行動を変えていくことが求められます。◆小走りして【事例】通所リハビリテーションフロアで、事務処理作業中、数メートル離れたところにある内線電話が鳴り、急いで電話に出ようと小走りしたところ、バランスを崩し転倒し、左足甲部をひねった。◆足がもつれて【事例】食堂にて朝食介助が終わり、食器類の片づけ中、洗面所にいた利用者に手拭きペーパーを渡し、片づけのため別テーブルに向かおうと方向転換したときに、足がもつれ転倒。とっさに手をつくことができず、左肩、左背中を強打した。◇  ◇  ◇次回は、転倒しやすい高齢者に対し、それを自覚させるための転倒災害防止対策を紹介します。高齢社員のための安全職場づくり―エイジフレンドリーな職場をつくる―

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