エルダー2021年5月号
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量の範囲の条件を提示していれば、高年齢者雇用安定法(以下、「高年法」)の違反にはならないとの見解を公表しています。ただし、高齢者が受け入れる余地のない労働条件を提示することは実質的には解雇に等しいと考えられ、継続雇用をしないことができるのは、就業規則の解雇事由または退職事由と同一の範囲に限定されている(「高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針」参照)こともふまえて、事業主から提示する労働条件は、合理的な裁量の範囲とするよう制約されています。さらに、同指針においては、賃金・人事処遇制度の見直しとして、年齢的要素を重視する賃金・人事処遇制度から、能力、職務などの要素を重視する制度に向けた見直しに努めることや、継続雇用後の賃金については、継続雇用されている高齢者の就業の実態、生活定年後再雇用時の労働条件について1定年後に継続雇用する制度を導入し、再雇用を行う場合には、形式的には、定年により一度労働契約は終了し、新たな雇用契約を締結することになります。そのため、契約自由の原則からすると、雇用契約を締結するか否かは、使用者と労働者の意思が合致するか否かによるということになりますので、使用者が労働条件を変更して提示することも可能と考えられそうです。しかしながら、定年後の再雇用が義務化されている状況からすれば、定年後の再雇用を一切自由としてしまうと、労働条件を大きく下げることによって、実質的に雇用契約継続の可能性がなくなり、継続雇用制度が形骸化する可能性があります。この点について厚生労働省は、合理的な裁同一労働になる場合には、減額が許されない可能性が高く、職務の内容、変更の範囲などを定年前とは異なるように整理する必要があります。また、賃金体系についても、正社員とは異なる評価としておくことも検討してもよいでしょう。A定年後再雇用の賃金制度について、何に気をつければいいのか知りたい定年後に再雇用する従業員の賃金体系について、「同一労働同一賃金」施行の影響もあると聞きました。どのような要素に気をつければよいのでしょうか。Q1第36回 定年後再雇用の賃金一律減額、業務委託の留意点弁護士法人ALG&Associates 執行役員・弁護士 家永 勲 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は変化するうえ、ときには重要な判例も出されるため、日々情報収集することは欠かせません。本連載では、こうした法改正や重要判例の理解をはじめ、人事労務担当者に知ってもらいたい労働法などを、Q&A形式で解説します。2021.544知っておきたい労働法 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制はA 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制はA& 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は&Q

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