エルダー2021年5月号
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2021.556※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「税込価格」(消費税を含んだ価格)を表示します松まつ田だ秀ひで士し 著/小学館/1540円楠くす木のき 建けん、杉浦 泰ゆたか 著/日経BP/2420円安全運転寿命を延ばすレッスン最愛カーライフをいつまでも!逆・タイムマシン経営論近きん過か去この歴史に学ぶ経けい営えい知ち「タイムマシン経営」とは、すでに「未来」を実現していると思われる国や地域(米国のシリコンバレーなど)に着目し、そこで萌ほう芽がしている技術や経営手法を先取りして成果を手にしようとする手法。一方、本書が掲げている「逆・タイムマシン経営論」は、この論理を反転し、過去の出来事を見直すことではじめて見えてくる視点や知見を取り入れる発想である。必要となる素材は新聞や雑誌の記事だけで、それをしばらくの間寝かせて読む、「たいしたコストはかからない」取組みだという。本書にはその実践が、具体的な事例と考察とともにまとめられている。例えば、1980年代後半に空前のブームとなった「SIS」(戦略情報システム)や、2004(平成16)年前後に小泉元首相が試乗して話題となった「セグウェイ」(電動スクーター)のその後など、そして、近年の話題でもある「サブスクリプション」(定額制)にも目が向けられている。多忙な日々を送るビジネスパーソンは、とかく目の前の話題にとらわれがちなところがある。物事の本質を見極め、戦略思考と経営センスに磨きをかけたい経営者や人事労務担当者に、ぜひ手に取っていただきたい好著である。人にはそれぞれ運転可能な年齢「運転寿命」があると考えられるが、それは延ばすことができるという。本書は、心・技・機能の三つの視点から運転寿命を延ばし、安全運転を続けるためのトレーニング方法などを紹介している。著者の松田氏は、66歳にしてプロのレーシングドライバーであり、自動車評論家としても活動。かつ、僧侶でもあり、「死ぬ瞬間まで元気でクルマを安全に楽しめる自分」であることを目ざす「お浄じょう土どまでぶっ飛ばせ!」をスローガンとしたスローエイジングを提唱している。本書では、著者が実践している眼の養よう生じょう術じゅつや愛用の眼鏡、サプリ、体幹トレーニングや危険予知トレーニングなどの方法を写真とともに紹介。また、運転しながら健康になるために毎日できることや「事故を起こさない運転」の極意を説いている。さらに、加齢による衰えなどを助けてくれる「先進運転支援システム」、「衝突被害軽減ブレーキ」、「高度駐車支援」などの最新安全技術をわかりやすく解説。気軽に読み進められる内容だが、どの章にも人生を楽しむために大切な運転に対する著者の愛情が感じられ、生涯現役を目ざす際のガイドにもなる。長く運転を続けたい人におすすめしたい。心・技・機能の三つの視点から、トレーニング方法や最新技術を紹介新聞や雑誌の過去記事を見直すことによって、物事の本質を見極める力をつける

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