エルダー2021年6月号
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2021.612現在、全職員51人のうち、60歳以上は24人(男性5人、女性19人)、そのうち70代が9人(男性1人、女性8人)。職員全体の平均年齢はおよそ50歳。職種の内訳としては、介護職が19人、理学療法士2人、作業療法士1人、看護師7人、事務2人、管理栄養士1人、調理9人、送迎ドライバー4人、環境整備1人、清掃・洗濯担当が5人である。なお、規程では定年後再雇用は70歳までと上限を設けているが、実際は希望者全員を70歳以降も雇用している状況であり、70歳以上の職員はドライバー、調理、介護スタッフと、さまざまな職種で活躍している。予防対策を徹底し感染者ゼロ利用者数に影響はほぼなし今般の新型コロナウイルス感染症により、全国の介護事業者が経営への影響を受けているなか、特にデイサービス(通所介護)は影響が顕著とされており、感染拡大による利用休止などの影響は今後も続くとみられ、事業所は適切な感染予防対策の構築が求められている。一方、ダイケイがデイサービス事業と有料老人ホーム事業を展開する「笑楽日」では、一回目の緊急事態宣言が発令された2020年4月ころこそ、利用者が感染リスクをおそれ通所を控える傾向が見受けられたものの、それ以降、利用者数は回復し現在に至っても特に目立った影響はない。大蔵代表取締役は同施設の状況について、次のように話す。「施設の利用者、職員ともにこれまで感染者は出ていません。強しいていえば、利用者の入院先の病院で感染者が発生したことがありましたが、当該利用者がPCR検査を受けた結果、陰性でした。当施設では感染者が出ていないものの、市内の別の地域にある大規模な介護施設ではクラスターが発生し、累計で数十人に及ぶ感染者が出ました。感染自体が怖いことはもちろんですが、地方の小さな町では風評被害も非常に怖いです。施設だけでなく、働いている職員個人を守るためにも、とにかく施設内で感染者を出さないため、できることはすべて行っています」「笑楽日」で実施した新型コロナウイルス感染予防対策を、次の通り紹介する。■通所者と入居者の往来を遮断デイサービスの通所者と宿泊者が利用する建物は別であるが、それぞれの利用者のなかには従来から友人同士というケースがあり、歓談の機会として、また孤立や認知症予防にもなるとして、施設間を行き来できるように配慮していた。しかし、新型コロナウイルス感染症予防対策として施設間の行き来を禁止し、利用者間の接触機会を減らした。■通所者の送迎前の検温、マスク着用通所者は送迎車に乗る前に、必ず検温を実施し、発熱がないかを確認するとともに、乗車時のマスク着用を義務づけている。■職員の出社前の検温職員に出社前の検温を義務づけている。37度を超える体温が確認された場合は、会社に電話連絡を行い、責任者の指示を受ける。これまで数件、発熱した職員がいたが、いずれも休暇をとり、PCR検査を受けて陰性が確認された。■送迎車と施設内に液剤噴霧と光触媒施工送迎車の車内と、デイサービス施設の共有エリアに空間除菌・抗菌・消臭ができるミストシステムを導入し、液剤を噴霧した。直接触れる手すり、蛇口、ドアノブには新型コロナウイルスに有効とされる光触媒を施工した。1回の施工で半年ほど効果が続くという。■各エリアに空気清浄機を設置デイサービスのエリアに2台、有料老人ホームのエリアに1台、高性能の空気清浄機を設置した。これは、世界で展開する有名ホテルにも採用されている機種で、浮遊ウイルス、有害物質を捕集し、抑制する効果が期待できる。■面会の対象者、場所、時間を制限面会は事前予約をした場合にかぎり、面会場

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