エルダー2021年6月号
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2021.638つながらないよう注意喚起を目的として、今年度の早いうちに70歳以上と管理職を対象とした、安全配慮に関する研修を実施予定とのことです。今回の取材では、翔の会で働く70代のお二人の働きぶりについてうかがいました。誠実、元気な仕事ぶりが信頼感に日ひ高だか憲けん一いちさん(73歳)は、翔の会が運営する特別養護老人ホーム・保育園・児童発達支援センター・生活介護・就労支援が同居する複合施設「ちがさきA・UN」に勤務して9年。建物全体の簡単な修繕や安全確認、清掃などを担当し、1日7010年に整備し、必要に応じて見直しを行い、職員、利用者の安全に配慮して、2021年度から職務に応じた年齢制限を導入。「①利用者への直接・間接支援業務は最高年齢75歳、②利用者を乗せた送迎運転業務は最高年齢70歳、③利用者を乗せない事務運転業務は最高年齢75歳」としました。「企業などを定年された方の採用も行っており、結果的に70歳以上の職員が徐々に増えており、現在全体の1割近くになっています。介護職では人生経験が豊かなことがプラスに働きますし、多世代の職員がいることでバランスの取れた職員の配置ができます。高齢職員には若い職員を支える役割をになってもらうこともある一方で、高齢者の特性に配慮した職場づくりが重要と考え、先の三つの分野で上限年齢を定めました。また、厚生労働省の『エイジフレンドリーガイドライン』を参考にして、昨年独自のマニュアルを作成しました」と、「ちがさきA・UN」・「特別養護老人ホームゆるり」で施設長を務める太田英次郎さんは話します。翔の会の仕事は、各職場のチームで行うことが多いため、安全配慮について確認するとともに、高齢職員の特性を知り、高齢職員やほかの世代の職員がそれぞれ配慮すべきことをマニュアル化。高齢職員は一人で仕事を行いがちなため、事故に体の約22%)で、19歳から78歳まで幅広い世代が働いています。人材確保の状況や職員の定着率は比較的よいとのことですが、60歳以上の人材も重要な戦力と考え、2013年に定年年齢を60歳から65歳に引き上げました。宮田プランナーはその直後に翔の会を初めて訪問しており、「当時、高齢人材のさらなる戦力化に向けて、正職員の65歳以降の再雇用要件の見える化、介助業務などの負荷軽減のための設備・機器の導入や助成金の利用などをアドバイスしました」と話します。2017年の2度目の訪問時には、正職員がより長く働くことができる職場づくり、健康管理の充実などについて助言したそうです。翔の会では、非正規職員の高齢者雇用制度を2「ちがさきA・UN」の玄関前で、花壇の手入れをする日高憲一さん太田英次郎さん(「ちがさきA・UN」・「特別養護老人ホームゆるり」施設長)

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