エルダー2021年6月号
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2021.640転倒災害防止対策1転倒しやすい高齢者とは、どのような人のことをいうのでしょうか。例えば、足腰の衰えが顕著にもかかわらず、﹁転倒は自分には関係のないもの﹂という気持ちを持っている人があげられます。若いころと同じように行動して、転倒を引き起こしてしまいます。そのような人には、転倒する危険が小さくないことを自覚させることが必要です。このため、中央労働災害防止協会では、高齢者の転倒しやすさを測る﹁転倒等リスク評価セルフチェック票﹂を作成しています。これは、身体機能の計測により、転倒につながる足腰の衰えを客観的に評価し、一方で、転倒にかかわる質問をし、その回答をみて、自分が転倒しやすいことを自覚しているか主観的な評価を行い、これら客観的評価と主観的評価を比べることにより、転倒しやすいかを判定するものです。つまり、身体機能が高く、かつ転倒を意識し慎重な行動に努める人は、転倒災害にあう可能性は低いととらえ、逆に、身体機能が低いにもかかわらず、転倒を意識せず無茶な行動をする人は、転倒災害にあう可能性は高いと判定します。■転倒等リスク評価セルフチェック転倒等リスク評価セルフチェックの手順は次の通りです。(1)身体機能の計測(客観評価)客観評価として、転倒にかかわる身体機能を計測します。具体的には、図表1の通り、①2ステップテスト(評価項目:歩行能力・筋力)、②座位ステッピングテスト(同:敏びん捷しょう性)、③ファ※ 前回までの内容は、ホームページでご覧になれます。エルダー 高齢社員のための安全職場づくり検索 生涯現役時代を迎え、60歳、65歳を超えて、より長く活躍してもらうためには、企業が職場における安心・安全を確保し、高齢社員が働きやすい職場環境を整えることが欠かせません。本連載では、高齢者の特性を考慮した〝エイジフレンドリー〞な職場の実現方法について、職場の安全管理に詳しい高木元也先生が解説します。労働安全衛生総合研究所 高木 元也―エイジフレンドリーな職場をつくる―高齢社員のための安全職場づくり高齢者の労働災害防止対策︱転倒災害防止その3︱第6回

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