エルダー2021年6月号
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2021.650て取り組んでいます」と認定講師としての責任とこの仕事の意義を語ってくれた。イー・エルダーがFMMCより依頼を受け、実施した「e-ネット安心講座」の講座回数と受講者数の実績は、2010年は48回・3500人、2011年は104回・1万4830人、2012年は311回・5万5320人と増え続けてきたが、ここ数年は減少傾向にあり、さらにコロナ禍の影響を受けて、2020年は37回・6160人にとどまった。しかし、2010年からの10年間の実績は、2261回の講座を行い、受講者数は39万4711人にのぼっている。研修事業ではこのほか、次の養成講座とパソコン活用講座を実施している。①シニア情報生活アドバイザー養成講座中高年齢期の生活に密着した、情報技術(パソコンやネットワーク)の楽しい活用方法を教えることができる人を養成する講座②パソコン活用講座インターネットの利用、ブログの作成、セキュリティー対策、デジタル画像処理など、高齢者向けのパソコン活用講座イー・エルダーではこのほか、Webアクセシビリティ化支援事業にも力を入れている。Webアクセシビリティとは、障害者にも高齢者にもWebページの情報を入手しやすくなるように工夫の施されたWebページの制作を目ざす活動のこと。イー・エルダーでは2007年から3年間、Webアクセシビリティの啓発と普及の推進に努めてきて、現在はその成果をふまえて、NPO法人ウェブアクセシビリティ推進協会(JWAC)の活動に参加し、NPOをはじめ、行政や企業へのWebアクセシビリティ化の普及・啓発を推進。また、企業のウェブサイトの診断・制作・評価などの作業を在宅の障害者に委託することで、障害者の就業に結びつける就業支援を目的に活動を継続している。ほかにも、IT知識などを活かして、企業、団体などへの社会貢献プログラムの企画提案と運営をになうなどの事業も展開している。オンラインで経営会議を開催新規事業の開発にも取り組むコロナ禍により、思うように事業を展開することができない日々だが、イー・エルダーではガバナンスを最重視して、経営委員会を毎月開催し、経営方針・施策を策定。目標を数値化して事業を推進している。また、事業リーダー、支部長、理事で構成する業務連絡会を四半期ごとに開催し、事業の立案・進展・問題・改善策の検討を行い、PDCAを確実に推進している。2020年3月には事務所をJR池袋駅から同講座は、小中高校生がインターネット被害に遭うことを防止するためのプログラムで、学校の教員、児童・生徒、保護者を対象にして、一般財団法人マルチメディア振興センター(FMMC)が『e-ネットキャラバン』として、全国規模で実施している出前講座。イー・エルダーでは2009年11月から、FMMCからの依頼を受け、認定講師を派遣している。講習の時間は45〜90分。「子どもたちをインターネットの加害者にも被害者にもさせない」ことを目的として、インターネットの安心・安全な使い方、インターネットの特徴・マナー・ルール、危険回避のために実施すべきことなどを伝えていく。認定講師となれるのはFMMCで実施する養成講座を修了した者であり、イー・エルダーには26人の認定講師がいる。認定講師として活躍している専務理事の寺島春夫さん(73歳)は、「子どもたちに接するときも、教えるとか説得するという感じではなく、一人ひとりが納得感を得られるような講座を心がけています。簡単にインターネットに接続してさまざまな情報を得たり、ゲーム機などの接続機器が多様化して子どもでもインターネットに気軽に接続することができる時代に、こうして子どもたちに大切なメッセージを伝えられることにやりがいを感じ

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