エルダー2021年6月号
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エルダー592021.6 June ニュース ファイル 2020年度「テレワーク人口実態調査」結果を公表国土交通省国土交通省は、2020年度「テレワーク人口実態調査」結果を公表した。同省では、テレワーク関係府省と連携してテレワークの普及促進に取り組むなか、本調査を毎年実施している。2020年度調査は同年11〜12月、約4万人の就業者を対象としてWeb調査で実施した。調査結果によると、雇用型就業者のうちテレワーク制度などに基づくテレワーカーの割合は、緊急事態宣言中に増加し、昨年度の9・8%から倍増の19・7%となっている。雇用型テレワーカーのうち、約6割が緊急事態宣言の発令された4月以降に開始した。また、約64%がテレワークに満足し、約82%がテレワークの継続意向を示した。テレワークを実施してよかった点は、「通勤が不要、または、通勤の負担が軽減された」が最も多く約74%、次いで「時間の融通が利くので時間を有効に使えた」が約59%、「新型コロナウイルスに感染する可能性がある中で出勤しなくても業務を行えた」が約43%となっている。一方、悪かった点は、「仕事に支障が生じる(コミュニケーションのとりづらさや業務効率低下など)、勤務時間が長くなるなど、勤務状況が厳しくなった」が最も高く約47%、次いで「仕事をする部屋や机・椅子などの環境が十分でなく不便」が約35%となっている。テレワーク実施により労働時間が減った人は約35%、変化しなかった人は約39%、増えた人は約26%。労働時間が減った人の減少時間は平均約80分。労働時間が増えた人の増加時間は平均約60分。表彰 第11回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞人を大切にする経営学会Ⓡなど「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞実行委員会・法政大学大学院中小企業研究所・人を大切にする経営学会Ⓡが主催する第11回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の受賞者が決定し、厚生労働大臣賞に「株式会社ファンケル」(神奈川県)が選出された。日本でいちばん大切にしたい会社大賞は、企業が本当に大切にすべき従業員とその家族、外注先・仕入れ先、顧客、地域社会、株主の5者をはじめ、人を大切にし、人の幸せを実現する行動を継続して実践している会社のなかから、その取組みが特に優良な企業を表彰し、ほかの企業の模範となることを目的に、2010年度から実施されている。応募資格は、過去5年以上にわたって、次の6つの条件にすべて該当していること。①希望退職者の募集など人員整理(リストラ)をしていない、②仕入先や協力企業に対し一方的なコストダウン等していない、③重大な労働災害等を発生させていない、④障害者雇用は法定雇用率以上である(常勤雇用45・5人以下の企業で障害者を雇用していない場合は、障害者就労施設等からの物品やサービス購入等、雇用に準ずる取組みがあること・本人の希望等で、障害者手帳の発行を受けていない場合は実質で判断する)、⑤営業利益・経常利益ともに黒字(NPO法人・社会福祉法人・教育機関等は除く)、⑥下請代金支払い遅延防止法など法令違反をしていない。調査・研究 高齢期の身体活動量の低下に関する研究成果を公表東京都健康長寿医療センター研究所など東京都健康長寿医療センター研究所と東京都立大学の研究グループは、加齢とともに増えてくる身体能力の過大評価傾向が、外出頻度の低下といった身体活動量の低下に関連していることを明らかにした。年齢を重ねると、自身が思っているよりも足が上がらず、障害物などにつまずきやすくなり、転倒に至る可能性が高くなる。実際にこれまでの研究から、高齢者の身体能力の過大評価が、高齢者の転倒に関連していることがわかってきたことから、同研究グループは、116人の健康上問題のない高齢者を3年間追跡調査し、どのように身体能力の過大評価が生じ、それがどのような生活要因によって引き起こされる可能性があるかを検討した。その結果、自身の能力を過大評価していた高齢者の割合は、3年間で10・3%から22・4%に増加。要因を調べると、初回調査時の外出頻度が3年後の評価エラーに関連し、外出頻度が低い者ほど自身の能力を過大評価(または過小評価傾向が縮小)する傾向にあることなどが明らかになった。調査結果から、加齢とともに身体能力を過大評価する高齢者が増え、この過大評価傾向には外出といった体を動かす機会の低下が関与していることがわかり、同研究グループは、「定期的に体を動かし、自身の体の状態を認識することが、自己能力認識を正確に保つために重要であるということを示している」と研究結果をまとめている。

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