エルダー2021年6月号
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脳力アップトレーニング!働くための篠原菊紀(しのはら・きくのり)1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。2021.664目標各2分第48回?に入る数字は何でしょうか。なるべくヒントは見ないで解いてみましょう。数字のルール問題 今回はワーキングメモリ(作業記憶)を鍛える問題です。頭のなかでメモをつくりながら答えを模索しましょう。このとき、人間が進化していく過程で巨大化した進化の結晶、前頭前野が盛んに使われます。この機能を使ってわれわれは仕事をし、学習をし、コミュニケーションをしています。【問題の答え】問題 1 → 2漢数字の画数を示しています。1は一で1画、2は二で2画、4は四で5画、9は九で2画、そして10は十で2画です。問題 2 → 315引き算の答えと足し算の答えを並べています。2-1=1、2+1=3、で13。8-5=3、8+5=13、で313。なので9-6=3、9+6=15で315が答えです。「この問題の変換ルールは何だろう」と考えているとき、脳ではワーキングメモリが盛んに使われます。ワーキングメモリは作業(ワーキング)のための記憶(メモリ)であり、脳に一時的に情報や記憶を保持して、組み合わせて答えを出す機能です。つまり、今回の脳トレ問題を解いているとき、目の前の問題を見ながらも、頭のなかでは、いろいろなルールをあてはめ、「それだとこうなる」、「こっちだとこうなる」……などとワーキングメモリが盛んに使われるわけです。ヒントを見て、あれこれ考え直すときも同様です。さて、今回の問題1は漢数字の画数を示しており、問題2は引き算の答えと足し算の答えを並べています。うまくルールを見つけることができたでしょうか。歳とともに低下しやすいのと同時に鍛えれば伸びるのが、このワーキングメモリの特徴でもあります。ガンガン鍛えていきましょう。ワーキングメモリをガンガン鍛えよう!=== 1=1 2=2 4=5 9=210=?21138531396?漢字にしましょうヒント❶二つの数字の合成ですヒント❶画数ですヒント❷足したり、引いたりしてみましょうヒント❷問題 1問題 2

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