エルダー2021年8月号
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2021.812に窓は夏でも冬でも開放して、室温は空調で調節しています。今般のコロナ禍においては感染予防になり、お客さまにも喜ばれています」(鈴木会長)。訪れた平日のランチ時はほぼ満席で、子育て中の若い年齢層から高年齢層まで女性客で占められ、各人がくつろいだ様子でランチを楽しんでいた。最高年齢者はギャラリー勤務の82歳「世界でいちばんコーヒーを愛し、コーヒーを楽しむコーヒー会社になる」を理念に掲げるサザコーヒーは、喫茶店の店舗運営を起点に、小売業、卸業に業容を拡大。1997(平成9)年に南米コロンビアのコーヒー農園を取得し農園経営を始め、コーヒー生産、輸入、流通、製菓などの製造まで、幅広く業態を広げてきた経緯があり、いわばコーヒーに特化した専門商社のようなもの。よって、サザコーヒーの社員は多種多様にそれぞれの仕事を担当している。現在の従業員数は230人。定年は60歳で、希望者全員を65歳まで再雇用することを就業規則に明記している。コーヒーショップの店舗運営が事業の柱であることから全従業員の平均年齢は33歳と若いが、職種によっては、新たに高齢者を採用することもある。現在の最高年齢者は82歳の男性で、本店に併設するギャラリー「GALLERY SAZA(ギャラリーサザ)」に勤務している。ギャラリーは一週間おきに企画展が開催され、一年先まで予約が埋まっているという人気のイベントスペースであり、文化事業に力を入れる同社としては貴重な事業である。このギャラリー勤務の最高齢社員は、入社以前は地元の百貨店で外商を担当し、定年を機にサザコーヒーに入社して20数年勤務。直接雇用の契約社員として勤務している。本人の申し出により現在は退職に向けて、担当業務を後任に引き継ぎ中とのことだ。後任は画家でもあり、他業種を経験し定年退職した64歳の男性。職務内容によるところがあるものの、同社は年齢に関係なく雇用している実態があり、「会社としては本人が希望するまで退社をうながすことはしません」と鈴木会長が話すように、希望者は年齢に関係なく働き続けられる風土が生まれつつあるようだ。大学と連携し社員対象にリカレント教育サザコーヒーは、2019(令和元)年に社員の学びとしてリカレント教育「SAZA campuscafe program(サザキャンパスカフェプログラム)」をスタートした。茨城大学社会連携センターが行っている「茨城大学リカレント教育プログラム」の企業を対象にしたコースを活用したもので、毎年、社員から受講者を募り、今年度は男性4人、女性4人の計8人が参加している。受講者の年代は20代から40代、職種は店長、管理職、パティシエ、営業職とさまざまだ。広い中庭に面した店内

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