エルダー2021年8月号
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特集生涯現役時代の“学び”を考えるエルダー21生をも考えるという人気のプログラムになっている。いずれも15〜25人の少人数制で、講師による講義と双方向のやりとりによる学びを重視しているのが特徴だ。参加者は自身の目的・関心にあわせて1プログラムから参加できる。多くの講義は18時30分から始まり、1コマが3時間。「公開プログラムは初めの1時間で講師の話を聞き、その後1時間はワークショップ形式で手や体を動かし、残りの1時間を使って参加者全体で意見を共有します。1コマ3時間はみなさんあっという間だとおっしゃいます。学生のころと違い、社会人の方々は必要に駆られて自ら学習しているということも、集中して学べる要因だと思います」(保谷さん)プログラムの多くは全6回を隔週で開催され、2〜3カ月で終了。終了時には修了証を発行する。「未来協創マスタリーコース」は、複数のビジネスプログラム、agoraをそれぞれ計画的に履修するコースで、1〜2年の履修期間にプログラムを自由に組み合わせて学べる。現在は未曾有のコロナ禍にあって、丸の内キャンパスにて対面で行っていたプログラムをオンライン、ハイブリッドに変更するなど、開催形態に幅をもたせて対応している。参加者に合わせた多彩な学び二つの公開プログラムでの学びのほか、多彩な学び方が選択できるのも慶應MCCの魅力だ。「夕せき学がく五ご十じゅっ講こう」は年間50講演におよぶ定例講演会である。「時代の“潮流と深層”を読み解く」をコンセプトに、政治経済、経営、技術、文化芸術、スポーツなど各分野の第一人者が講演を行う。実際に聴講する以外に、インターネットでリアルタイムに視聴することができるため全国から受講が可能である。この夕学五十講のアーカイブ映像を視聴できる「夕せき学がくクロシング」は、会員制オンライン学習システムだ。時間や場所に制約されないので多忙なビジネスパーソンは参加しやすい。月に2回、夜間にオンラインでディスカッションを開催して、参加者同士が自ら語り合い意見を共有する場を設け、オンラインの学習システムであっても、相互性を持たせている。慶應MCCではこのように、公開型プログラム、講演会、オンライン学習など、参加者のさまざまな目的、あるいは環境に適した学び方が選択できるよう、多様な開催形式で学びを提供している。セカンドキャリアにつながる出会いの場「仕事をしながら学ぶということはたいへんなこと。そのお手伝いをしています」と話す保谷さんをはじめ、慶應MCCでの学びをサポートしてくれるのが「ラーニングファシリテーター」という存在だ。参加者と講師をつなぎ、参加者の関心や置かれた状況に応じて、さまざまな学びを提案するほか、参加者の理解を深めるための情報提供や多様な視点の提示、あるいは理論を実務へ応用する際のアプローチ方法や問題提起など、さまざまな学びのきっかけを提供している。保谷さんは40~50代の学びについて次のように話す。「実際のところ、40~50代のビジネスパーソンが定年後のセカンドキャリアを見すえて、学んでいるケースは少ないかもしれませんが、いまの学びが、次のステージでの活躍につながっているということはいえるのではないでしょうか。40代となると同じ業界に身を置いて20年程度は経っている人が多いでしょうし、会社での勤続年数も長くなっていると思います。そうすると、その業界や勤めてきた会社の常識のなかで積み重ねてきた経験が逆に足枷かせになることもあると思います。ビジネスの動きが速い昨今に

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